第18話 千堂の力 後編
[2/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
の人達は……」
レレイはあの人達と言ったが脳裏には千堂が浮かんでいた。しかし、おそらくショッカーは要求を飲まない。異世界人……それも敵国の人民を助けるメリットなどない。そう分かっているのにどうしても脳裏に浮かぶ"あの人"に助けを求めてしまう。
「何、こいつ。俺らより独裁者の味方なわけ?」
「ねー、暇だからコイツらで遊ばね?そもそも異世界から来て安全に帰れるとか思ってたの?」
男の1人がレレイの顎を掴み、上を向かせる。
レレイの恐怖が最高潮に達した。
(助けて!!!)
その時―。
ドガァァァァン!!!!
もはやそれは破壊音というより破裂音だった。
"その男"の強烈な一蹴りは頑丈そうな鋼鉄製の壁をいとも容易く粉砕した。
薄暗い工場内に突然、光が差し込む。
逆光を浴び、千堂はそこに立っていた。
不穏分子の男達はレレイ達から手を離し、千堂の方を向く。
「し、ショッカーの手の者か!?なぜここが分かった!?」
そう言ったのは先程、レレイの顎を掴んでいた男だ。男はナイフを腰から引き抜くと千堂に向けて突進する。
「「危ない!!」」
レレイとテュカが叫ぶ。
ゴキッ!!!
骨が大きく折れる音が鳴り響いた。
無論、男のナイフが千堂に刺さった音ではない。千堂が向かってくる男の顎をかかとで蹴り上げたのだ。
男は千堂に蹴り上げられ、頭蓋骨が砕け、そのままの勢いで天井に叩きつけられた。
「なぜここが分かったかだと?そんなの俺が改造人間だからに決まってるからじゃないか」
不穏分子達は千堂の「改造人間発言」に軽くパニクるが千堂はレレイ達の方を見ると優しい口調で言った。
「遅くなってすまない。助けに来たぞ」
ようやくレレイ達の恐怖心が薄れていった。
するともう1つの影が工場内に入る。
「隊長!レレイさん!ご無事ですか!?」
千堂に続いて加頭も工場内に突入したのだ。
「加頭か……ショッカー警察は?呼んだのか?」
「はい。もう10分ほどで到着するようです」
警察が来ると聞いて不穏分子達がざわつく。逃げようとしているのだ。千堂はそんな彼らの様子を軽蔑と怒りの籠もった目で一瞥した。
「10分ねえ……この人数を無力化するには十分過ぎる時間だな」
!!!???
千堂のその言葉は不穏分子達だけでなく加頭まで驚かせた。しかし、千堂の力の籠もった態度や溢れ出る雰囲気がそれがただの虚言ではないことを表していた。
「加頭、あの娘達を頼んだ。俺は目の前のクズ共を片付ける」
「……分かりました。お気をつけて」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ