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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
閉会〜金帰火来には遠すぎる〜
796年4月アスターテ共和国同盟弁務官連絡船中にて
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要不可欠ではあるが党派的な対立が厄介な支持者達の目が届かぬところであればこうした話し合いは不可欠だ。

「私も席を外すつもりはないし、異議はないわよ」
 アシリアがニヤリと笑って最後の一票を入れると、エオウィンも微笑を浮かべ、義理は果たしたといわんばかりに席に着いた。
「イロンシの奴もいれば良かったんだがな!ヴァンフリートは身内の結束が強いから仕方ねぇか!
‥‥そういう話なんだろ?」
 イロンシが代表するヴァンフリート民主共和国は良くも悪くも独立性が強い。成り立ちからして銀河連邦軍の軍閥から革命が起きて成り立った国であり、元首は将官の中から国民投票で選出され、『サジタリウス準州知事』と『銀河連邦軍元帥』の二つの称号を兼任し、人民元帥を自称する国だ。本来であれば入植が困難な宙域に押し込められた『アスカリの持ちたる国』である。
 小惑星を連結した要塞に住まい、鉱工業と兵役で暮らす人々は同盟の中でも異彩を放っている。

   
「まあそういう事だね。あくまで国防部内の噂なのだが――シトレ本部長の任期は6月までなのは知っているかね?」

「はい」「そうだったな!!」
 最高評議会指名人事の任命には上院の承認が必要である、当然ながら統合作戦本部長もそれに含まれる。

「シトレ本部長とドーソン次長が酒を飲んだらしい」

「ふむ」「ほう」「‥‥‥なるほど」「‥‥‥それはそれは」
 ドーソンは管理担当次長で部内の人事、管理業務、そして国防委員会情報部と一体運用される統合作戦情報部、統合運用計画、情報システム、議会に提出する戦力整備計画などを管掌している。
 序列としては艦隊総司令部総参謀長、地上軍総参謀長に続く第三席であるが議会との窓口であり、軍官僚としては実質的にトップクラスの地位である。
 そしてドーソンは憲兵隊司令官と情報部部長を経験した諜報畑のトップである。

「おい!第13艦隊設立案の指名人事はヤン・ウェンリーだったな!?アレの発案者はトリューニヒトか!!?」

「あぁそうだが、いや、待てアレの交渉にレベロが同席していた」

「【自由の同志達】からも支持の打診が来ていました。シトレ本部長が出した案です」
 自由党が裏で動いていたのならばレベロを後ろ盾にしているシトレに違いない、という事だ。

「ホー、ホー、ホー」
 アシリアが楽しそうに笑った。リッツはやれやれ、と頭を振る。
「ドーソンは兵站と諜報畑だったな‥‥任期間近に何を企んでいるのかな」

「イゼルローン絡みね、おそらく、ここで戦果を挙げれば3期目の資格を得られる」
「攻略作戦でもするというのかね?だが半個艦隊では火力もたかが知れているだろう?私は素人だができるものかい?」

 リヴォフも軍人としての頭脳を久々に回しながら話す。
「イゼ
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