暁 〜小説投稿サイト〜
同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
閉会〜金帰火来には遠すぎる〜
796年4月アスターテ共和国同盟弁務官連絡船中にて
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するサジタリウス産業労働研究所に主席研究員として勤務していた才女である。
 議員経験は共和国議会1期のみだがパランティア共和国中道右派かつ最大勢力を誇る政党、パランティア穏健党から出馬しており、同盟議会における第一与党である国民共和党の推薦を受けている。

 そうした経歴の通り資金集めや経済政策に長けており事務局長の座を先代から引き継いでいる。
「時間通りだよ、気にしなさんな」
 
「すみません先生!!‥‥‥例の件の確認急報が届きました、こちらに」
 リッツは早いな、とつぶやき送られたデータを見るとピクリ、と眉を跳ね上げた。
「わかった……うむ、やはりそうか」
 リッツは直ぐにポーカーフェイスに戻り、コーヒーを啜る。

「おはようみんな」
「おはようございます、代表、執行委員長」
 【縦深】代表世話役のサウリュス・ロムスキー医師、70を前にしており、リヴォフに次ぐ高齢の同盟弁務官だ。エル・ファシル医師会理事長、自由惑星同盟戦災対応医療ネットワーク理事を歴任し、医師として戦災復興支援に良く携わってきた。エル・ファシル共和国議会議員を2期務め。保健福祉長官を経験したのちにエル・ファシル共和国同盟弁務官に当選と申し分ない経歴を持つ政治家である。

「おいおい、堅苦しいな。今は皆、同じ居候の身だろう」
 労農連帯党中央執行委員長、ホアン・ルイである。連立与党のトップであり政策マン以上に政界の寝技師として大連立『民主共和連盟』政権の黒幕の一人としてロイヤル・サンフォード総裁、国務委員長で上院の長老、ウィリアム・カーティスと並んで囁かれている。

「だが話があるのは事実なんじゃねぇのか!執行委員長殿」
 ロムスキー、リヴォフ、リッツは労農連帯党に所属している。
 出馬するときは各共和国の政党名であるがそれぞれ同盟下院政党から推薦をもらうのが慣しである。
「まぁそれはそうだ」


「そうなりますと、同じ居候の身ではありますが、委員長」
 エオウィン・イシリアンはそういってからわずかに眉をひそめた。
「私は貴方の党から公認も推薦も受けておりませんがよろしいので?」

 また一方でアシリアとイシリアンはそれぞれ国民共和党に党籍を置いている。
 サンフォード最高評議会議長が総裁を務め、党の行事ではヨブ・トリューニヒトと肩を並べる事も珍しくない。

 ホアンは新人の政治家に対して鷹揚に応じる。
「ロムスキー先生と同じ会派だ。否とはいえぬさ。それに同盟下院でも労農連帯と国民共和党は連立している」

 間髪を入れずロムスキーも鷹揚に笑って見せた。
「ハハハッ、まぁいいではないか。【縦深】の役員が皆揃っているんだ」

「異議なし」「異議なし」
 選挙の際にはさんざん叩き合った癖に、という人間はここにはいない。必
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