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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
閉会〜金帰火来には遠すぎる〜
796年4月アスターテ共和国同盟弁務官連絡船中にて
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同盟政府からもモデルケースとして支援されている。
「しかしまぁ便乗させてもらっているのだから文句も言えない、か」
チャイを持ってきた給仕に目礼し、シリアルバーをかじりながら応対する。
「おぅ!気にするな!してねぇな!!」
「世話役に世話されるのは恥ずかしくない、そうだろう?」
ふてぶてしく笑うアシリアにリヴォフも違ぇねぇや!と呵々と笑い、シリアルを大皿にぶちまけて掻きこむ。
アシリアは上品にティアマト風のチャイを楽しみながらリヴォフに話しかける。
「リヴォフ世話役、ロムスキー代表にはもう会ったか?」
お互いの議員となる前の敬称をつける時は”非公式”の場であることを示す。逆に政治家としての呼称を使う場合は――そういう事である。
「‥‥‥ホアン執行委員長と話している。何か聞いたか、国対委員長」
リヴォフの声は深く、悟性を伺わせるものであった。
「いや、となると代表と密談しているという事か」
「執行委員長はエル・ファシルの予備選の応援だと言っていたがそれだけとは思えん。
直行便なら幾らでも捕まえられるはずだ。アスターテ共和国にようじがあるわけでもあるまい。なら――」
「代表が我々【縦深】の役員連に声をかけた事には意味があるという事だろう」
六十代前半の理知的な風貌の男が割って入ってきた。
「リッツ政調会長」
エドヴァルド・フォン・リッツ、亡命者系が集うアルレスハイム帝冠共和国出身の同盟弁務官だ。アルレスハイム医科大学で公衆衛生学を学び、同盟軍軍医中佐まで勤務した後はアルレスハイム医科大学で労働安全衛生政策を研究し、フリープラネッツ労働組合総連合政策研究センター安全衛生学顧問としてホアン・ルイのブレーン役を担ったこともある政策通である。
軍との伝手も深く【縦深】においても政策の纏め役、政調会長として活躍している。
「政調会長は何か知らないのかね」
「いいや知らん、私は例のルンビーニ船団事故の調査委員会に引っ張り出させることが決まっているからな」
同盟政府の星間サービスステーション工事用の資材を運んでいた船団が大事故を起こしたのである。
400名近くの死傷者を出し、航路の要所に資材である液体ラジウムが流出している。
流通へのダメージは無視できないレベルに達している。
「まぁ予想はつかないでもないが、確証ないうえにもう本人たちがでてくるだろう。
あぁエオウィン女史が来たらよんでくれないかね、確認したいことがある」
「おはようございます、すみません。遅れました!」
エオウィン・イシリアン、40歳になったばかりの若手同盟弁務官である。1年前の半数改選選挙で当選した新人議員だ。
パランティア最大の企業グループIIDCグループ(星間情報通信開発企業連合)が運営
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