暁 〜小説投稿サイト〜
レーヴァティン
第百七十話 甲斐攻めその三

[8]前話 [2]次話
「山地を拓いてです」
「田にすることが出来ないでいるな」
「左様です、そして中央の川も」
 これもというのだ。
「堤を築こうとしていますが」
「そこでも銭はないか」
「甲斐一国では貧しく」
 その為にというのだ。
「その為に」
「そうですか、では」
「それではですね」
「甲斐を手中に収めたならば」
「幕府の力を使ってですね」
「銭にな」 
 それに加えてというのだ。
「人もやってだ」
「山に田を拓き」
「川に堤を築いてな」
 そしてというのだ。
「治水を整え」
「田もですね」
「これまでより遥かに多くもうけ」
 英雄は酒米で造ったそれを飲みつつ話した。
「そしてだ」
「そのうえで、ですね」
「甲斐の誰もが米も食える様にする」
「ほうとうや芋だけでなく」
「やはりこの浮島は米だ」
 主食はこれだというのだ。
「これが誰も食える様になるとな」
「違いますね」
「だからそうしたい」
「米でありますな」
 峰夫も米について述べた。
「やはり」
「この浮島はな」
「だからでありますな」
「甲斐もだ、そしてだ」
「他の国もでありますな」
 峰夫も飲みつつ英雄に話した。
「そうでありますな」
「出来るだけな」
「米を多く作れる様にしますな」
「そうしていく、薩摩や大隅では苦戦しているが」 
 これは桜島が常に吐き出す火山灰のせいである、この火山の噴火が農業にも影響を及ぼしているのだ。
「しかしな」
「それでもでありますな」
「行っていく」
「そして甲斐でも」
「同じだ、米には水が必要だ」
 他の作物よりもだ。
「水田ならな」
「陸稲もあるっちゃが」
 愛実はどうかという顔で述べた。
「それでもっちゃな」
「やはり米はな」
「水田の方がいいっちゃな」
「そうだ」
 どうしてもというのだ。
「だからだ」
「それでうち等も水田っちゃな」
「それを主に増やしていっている」
「そうっちゃな」
「これまでもこれからもな」
「そういうことっちゃな」
「北陸でもそうする」
 今度はほうとうを食べて愛実に話した。
「当然な」
「わかったっちゃよ」
「米だ」
「農業の基本は」
「それも水稲だ」
「やっぱり軸はそれっちゃな」
「陸稲があってもね」
 こちらも米にしてもというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ