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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第二百八十四話 テストが終わってその九

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「警戒してるらしいわよ」
「それで防いでるんだね」
「みたいよ、とにかくね」
「いじめはだね」
「女の子の方がきついのよ」
「陰湿で残酷で」
「男の子の想像を上回る位にね」 
 そこまでだというのだ。
「嫌なものよ」
「結構男のいじめも凄いけれどね」
「ああ、よく聞くわね」
「それで自殺するとかいう話もあるけれどね」
「もっとよ」
 その自殺に至るまで非道ないじめよりもというのだ。
「確かに酷いものがあるけれど」
「女の子同士だとなんだ」
「一段か二段上回る位だから」
「そこまでなんて凄いね」
「だかね」
 それでというのだ。
「本当にね」
「寮の方でも警戒しているんだね」
「というかいじめで自殺とかになったら」
 香織さんは嫌な顔をして僕に言ってきた。
「取り返しがつかないでしょ」
「それはね」
 僕もそれは同意だった、命が失われることになったらもうそれこそ後で何を言っても何にもならないことだ。
「もうね」
「そう、だからね」
「それでだね」
「寮は厳しいらしいわ」
「いじめがなかったらね」
 それならだ、僕も思うことだ。
「それに越したことはないね」
「そうよね」
「いじめは最低の行いだよ」
 僕も心から思うことだ。
「自分より弱い相手を虐げるとかね」
「卑しいわよね」
「そんなことするよりも」
 それこそだ。
「努力しろ」
「そう言うわね」
「商業科の女子の厚生委員長さんがその持論でね」
 それでだ。
「いつも努力してるよ」
「あの人有名よね」
「女子野球部のセカンドでね」
 打順は二番だ。
「スポーツに学問にね」
「努力家よね」
「あの人いつも自分が率先して動くよね」
「もう自分からね」
 それこそだ。
「委員会のお仕事も頑張って」
「面倒見もよくてね」
「凄い評判の人だね」
「ええ、あの人はいじめは絶対にしないわ」
 香織さんも言い切った。
「そうした人よ」
「そうだね」
「ただね、あの人このことでも有名よね」
「額のことかな」
「あの人って額のこと言ったら怒るのよね」
「いつも前髪で隠してるんだよね」
 長いストレートの日本人形みたいな黒髪も評判の人だ、小柄で可愛らしいということでルックスでも評判だけれど。
 その額のことを言うとだ。
「そのことを言うとね」
「無茶苦茶怒るっていうわね」
「そしてね」
 そのうえでだ。
「アイアンクローかけてくるんだ」
「それ本当よね」
「みたいだよ、もう額のこと言ったら」 
 その時点でだ。
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