第二百八十四話 テストが終わってその八
[8]前話 [2]次話
「うちの女子寮も」
「ないわよ」
「やっぱりそうだよね」
「四時半起きってお寺じゃない」
香織さんはこう返してきた。
「それこそ」
「それ位の早さだね」
「ええ、流石にそこまではね」
「ないんだね」
「というかそんな寮もあるの」
「今は違うらしいけれど」
こう前置きして香織さんに話した。
「昔の天理高校の女子寮はね」
「四時半起きだったの」
「一年生の人はね」
「それは凄いわね」
「もう一年生のうちは」
それこそだ。
「気の休まる暇がないとか」
「あそこはそうなの」
「そうしたところだったってね」
「義和は聞いたのね」
「うん、本当かどうかわからないけれど」
信頼出来るそれもその天理高校の女子寮にいた人から聞いた話だから間違いないと思う。
「先輩によるけれど厳しかったそうだし」
「上下関係もよね」
「そうだったらしいしね」
何でもだ。
「そういうのはうちではないんだね」
「皆六時起きらしいわ」
「普通だね」
寮ならだ。
「そこからお掃除とかしてだよね」
「朝ご飯食べてね」
「それで登校するんだよね」
「そうみたいよ」
「それだとね」
「普通よね」
「至ってね」
僕が思うにだ。
「そんなものだよ」
「そうよね」
「それでも上下関係は厳しいんだね」
「男の子の方よりもね」
「そうなんだね」
「結構女の子同士ってね」
香織さんは僕に話してくれた。
「上下関係がね」
「厳しいんだね」
「男の子以上にね」
「横のつながりも色々あるんだよね」
「あるわよ、いじめだってね」
これもというのだ。
「むしろね」
「男の子の間よりもなんだ」
「あって陰湿で」
香織さんは眉を顰めさせて僕に話した。
「残酷よ」
「そうなんだね」
「しかも容赦しないから」
「救いがない感じかな」
「ないわよ、だからいじめで自殺って女の子の方が多いでしょ」
「そうなんだ」
「よく見たらそうよ、本当にね」
女の子の中のいじめはというのだ。
「陰湿で残酷だから」
「それでなんだ」
「もう耐えられなくなって」
それでというのだ。
「自殺する人もね」
「多いんだ」
「そうなの」
こう僕に話してくれた。
「嫌なものよ」
「それで女子寮でもかな」
「うちの学園の」
「いじめあるのかな」
「凄い警戒されてるらしいわよ」
「そうなんだ」
「もう細部までね」
見てというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ