第三幕その十
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「目は回らないんだよね」
「そうよね、目が回らないとね」
つぎはぎ娘はまた言いました。
「その分ね」
「踊れるんだね」
「そうよ」
こうジョージに答えます。
「快適にね」
「君は本当にダンスに向いた身体をしているね」
「何時でもどれだけでもどんなダンスも出来るからね」
「凄い身体だね」
「だからあたしはこの身体が大好きよ」
自分のそれがというのです。
「本当に幾らでも踊れるから」
「それでだね」
「こんな身体他にないしね」
つぎはぎ娘はまた踊りながら言いました。
「本当に好きよ」
「そうだよね」
「じゃあこれからも踊るわね」
今からもというのだ。
「そうするわね」
「僕の曲に合わせてだね」
「あんたの曲にもう一曲歌って」
そしてというのです。
「それで今度はサンバを踊るわ」
「そちらの踊りをだね」
「そう、踊るわ」
そうするというのです。
「次はね」
「本当に色々な踊りがある村で」
トトはドロシーの傍でお茶を飲みつつ言いました。
「つぎはぎ娘も色々な踊りを踊るね」
「ええ、そうでしょ」
「そのことをあらためて思ったよ」
「そうだね、じゃあ僕もね」
「サンバ踊るのね」
「ティータイムの後でね」
それからというのです。
「そうするよ、ただね」
「ただ?」
「服はそのままだから」
それは変わらないというのです。
「サンバの服は着ないよ」
「カーニバルの」
「ああした物凄い服はね」
「あたしは飾り付けるけれどね」
「そうして踊るんだ」
「ああした服は着ないけれど」
カーニバルの時の物凄く派手な露出の多いきらきらの服は着ないというのです、つぎはぎ娘にしても。
「それでもね」
「飾りは付けるんだ」
「きらきらのね」
「私サンバ自体は好きだけれど」
ドロシーが言いました。
「あの衣装はね」
「着られないですか」
「あの派手な服は」
「水着みたいですし」
「あれを着て踊ることは」
「ドロシーさんは駄目ですか」
「絶対にね、ちょっと以上にね」
ジョージ達五人にも答えます。
「出来ないわ」
「あの服はそうですね」
「着るには水着以上に勇気がいりますね」
「見てもわかります」
「あれを着て人前に出たら」
「恥ずかしいですね」
「私としてはね、カンサスにいた時は」
ドロシーは二十世紀初頭のお話もしました、自分がいた頃のアメリカのお話も。
「ああした服は想像も出来なかったから」
「そういえばドロシーさんも他の人達も」
「服の露出少ないですね」
「ミニスカートも穿かないですし」
「オズの国全体として」
「服の露出が少ないですね」
「そうでしょ、水着は現代のものでもね」
それでもというのです。
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