第三幕その十
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「真面目な人でもあったんだよ」
「お酒を浴びる様に飲んでいると思ったら」
「全然違うね」
「織田信長さんにしてもね」
「本当に」
「そうだよ、若し織田信長さんが残酷で苛烈だって頭から思って学べば」
そうなると、といいますと。
「正しく理解出来ないよ」
「そうなるんだね」
「だから偏見や先入観は捨てて」
「そうしてだね」
「学ぶべきものなのね」
「そうだよ、そしてね」
そのうえでというのです。
「学んでいかないとね」
「そうだよね」
「聖書だって偏見を持って読んだらいけないし」
「そうしたら聖書にとってもよくないし」
「自分にもよくないわ」
「聖書ですら偏見を持って読んだら悪い本になりかねない」
先生は悲しいお顔になってこうも言いました。
「僕はそう思うんだ」
「聖書ですらなんだ」
「そうなるの」
「ううん、そう思うと怖いわね」
「本当にね」
「冗談じゃないわ」
「だから学問に偏見や先入観は禁物なんだ、僕もそのことを頭に入れて」
そうしてというのです。
「いつも学問を楽しんでいるよ、しかし話題を変えるけれど」
「どうしたの?」
「今度はお話は何なの?」
「一体どんなお話かしら」
「このお城は凄いね、見事なものだよ」
お城自体のお話をするのでした、お庭から離れてお城の中を歩いて石垣も見たりしながらのお話です。
「お城自体が芸術品と言っていいね」
「確かにそうね」
「天守閣もお庭も立派で」
「門は立派で」
「城壁や石垣も奇麗で」
「これ自体が芸術品みたいね」
「うん、日本のお城はこうしたお城が多いけれど」
それでもというのです。
「この彦根城もね」
「そんなお城ね」
「まさに」
「本当にそうね」
「凄いものだよ、井伊家は三十五万石で」
石高のお話もするのでした。
「実際はもっと豊かだったらしいけれど」
「その井伊家のお城に相応しい」
「そうしたお城だっていうのね」
「まさに」
「そう思うよ」
まさにというのです。
「それだけのお城だよ」
「確かにね」
「大老さんのお城だって思うと」
「それだけのお城だね」
「井伊直弼さんってドラマとかで凄い貫禄だしね」
「悪い人でも」
「その人のお城かって考えたら」
動物の皆も言うことでした。
「それだけのものだね」
「そうだよね」
「本当にね」
「そこまでのものよ」
「そうだね、ただ守りが堅固なだけじゃなくて」
それに加えてというのです。
「芸術性もあるよ」
「日本のお城らしいよね」
「そうしたところはね」
「日本のお城って奇麗だからね」
「芸術的にも素晴らしいけれど」
「その日本のお城らしいね」
「観ているとね」
動物の皆も先生の言う通りだと頷いていま
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