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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第48話:3人寄れば姦しい
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なく鼻まで思いっきり塞いでしまっていたのだ。途中から矢鱈颯人が自分の手を叩いてくることに違和感を覚えていたのだが、それが酸欠が近付いてきた事のアピールであった事に漸く気付いたのだ。
もうタップする余裕も無いのか、顔を青くして体をプルプル震わせ始めた彼に奏は慌てて手を離した。
「わぁっ!? 颯人大丈夫かッ!?」
「ぶはっ!? はぁっ! はぁっ! はぁっ!」
颯人が落ち着きを取り戻したのは数分後。流石にそこからはふざける余裕もないのか、ベンチに座り大人しくなった。その隣では、流石に悪いと思ったのか奏が座り彼の背を擦っている。
「それにしても司令、まだ帰ってきませんね?」
「えぇ。メディカルチェックの結果を報告しなければならないのに……」
了子が去り、場が落ち着いた頃を見計らい慎次と翼が首を傾げた。
「次のスケジュールが迫ってきましたね」
慎二が腕時計を見ながら口にした言葉に、響がやや驚いた様子を見せた。
「もうお仕事入れてるんですか?」
「ま、翼ももう回復したしね。まだ無理は禁物だけど」
「少しずつよ。いまはまだ、慣らし運転のつもり」
「じゃあ、以前よりは余裕があるんですね?」
奏と翼の言葉に何かを思いついた様子の響。
彼女の声に、興味をそそられた颯人がそちらに目を向ける。
「ん〜、まぁ、そう言う事になるかな?」
「それじゃそれじゃ、奏さん! 翼さん! デートしましょ!」
「「で、デート?」」
突然の響の言葉にきょとんとした顔になるツヴァイウィングの2人。一方颯人はデートと言う言葉に何かを思いついたのか、会話に混じらず1人真剣な表情で考え込む。
──タイミング的には……うん。となると……──
完全にプライベートで遊びに行く予定を立てて盛り上がる女性陣を他所に、颯人も何かを計画していくのだった。
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