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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第48話:3人寄れば姦しい
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更に追撃を恐れて距離を取る颯人を、奏は呆れた目で見ていた。
「馬鹿な事言うから」
「意外でした。櫻井女史は恋と言うより、研究一筋であると」
「命短し恋せよ乙女ッ! と言うじゃなぁい? それに女の子の恋するパワーってすっごいんだからぁッ!」
「女の子、ねぇ……」
「あら何か文句ある?」
懲りずに藪を突く颯人を了子が笑顔で威嚇する。顔は笑っているが、その手には何時の間にか奏が飲み干し空になった空き缶が握られていた。スチール缶の筈のそれは、握り締められて形が歪み、思いっきり振りかぶられている。
音を置き去りにした空き缶が飛んできそうな気迫に、颯人は無言で口にチャックのジェスチャーをした。
流石に懲りた様子を見せた彼に、了子も気が済んだのか空き缶をゴミ箱に放り投げ話を続けた。
「私が聖遺物の研究を始めたのも、そもそも────あ」
「「うんうんッ! それでッ!?」」
話の途中で何を思ったのか言葉を途切れさせる了子だが、響と未来の2人は彼女の様子に気付いていないのか続きをせがむように身を乗り出す。
そんな2人の様子に、了子はやや引き攣った笑みを浮かべた。
「……ま、まぁ、私も忙しいから! ここで油を売ってられないわッ!」
無理矢理話題を変える様にそう言った了子に、彼女が凶器を持っていない上に距離があるのを良い事に再び何かを口にしようとする颯人。しかしそれを予見していた奏は素早く彼に近付き、手を押し込む勢いで彼の口を塞いだ。
「とにもかくにも、できる女の条件は、どれだけいい恋をしているかに尽きる訳なのよ。奏ちゃんみたいにね?」
「えっ!? いや、あの──」
ここで了子がこんな事を言うとは思っていなかったので、奏はまた顔を赤くした。動揺して力んでしまい、颯人の口を塞ぐ手に力が籠る。
颯人と奏の様子を目にすると、了子は満足そうに頷いた。
「ガールズ達も、いつかどこかでいい恋なさいね? んじゃ、ばっはは〜い」
響達に手を振りながら颯爽と去って行く了子。
彼女の背を響は残念そうに見送った。
「んむむ〜、ガードは堅いかぁ。でもいつか、了子さんのロマンスを聞き出して見せるッ!」
肝心の部分を聞きそびれてしまった事に響と未来は心底残念そうにした。
次の機会に思いを馳せ、意気込む響だったが彼女達はある事を忘れていた。
それに真っ先に気付いたのは、一歩引いたところから状況を見ていた慎次であった。
「あの、ところで奏さん?」
「ん? 何、緒川さん?」
「颯人君はいいんですか?」
言われてそれまで見向きもしていなかった颯人の事を見ると、彼は顔を青くして必死に奏の手を叩いていた。
先程了子の言葉に動揺し加減を忘れた奏は、彼の口だけで
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