暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第48話:3人寄れば姦しい
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たんでね」

 可笑しいと言う感情が押し殺せないのか、再び口元から笑いが零れる颯人。その笑い声が癇に障ったのか、奏は烈火の如く怒り未だ手の中にある偽物の缶を潰さんばかりに握りしめるとそれを渾身の力を込めて颯人に投げつけた。

「〜〜〜〜!? ふざけんな!!」
「お〜っと!」

 投げられた缶をあっさり回避した颯人だが、その程度で済ませる奏ではない。投げると同時に颯人に駆け寄りとっ捕まえようとする。
 勿論簡単に捕まる颯人ではなく、奏が走り出すと同時に彼もその場から逃げ出した。

 あっという間に二課本部の奥へと言ってしまった2人。翼は暫し2人が走り去っていった方向を見て溜め息を一つ吐くと、改めて未来に話し掛けた。

「んん、改めて、風鳴 翼だ、よろしく頼む。立花はこう言う性格故、色々面倒を掛けると思うが支えてやってほしい」
「いえ、響は残念な子ですので、ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします」
「ええ〜、なに? どういうこと〜?」
「響さんを介して、お2人が意気投合しているという事ですよ」
「むむ〜、はぐらかされた気がする」
「ふふっ」

 翼と未来、そしてそれに対する慎次のフォローに納得のいかない顔をする響。
 そんな響を見て笑みを浮かべる翼。

「でも未来と一緒にここに居るのは、なんだかこそばゆいですよ」
「司令が手を回し小日向を外部協力者として二課に登録したが……それでも、不都合をしいるかもしれない」
「説明は聞きました。自分でも理解しているつもりです。不都合だなんて、そんな」
「あ、そう言えば師匠は?」

 不意に響が、今日はまだ会っていない弦十郎の事を思い出し首を傾げた。苦労を掛けたと言うのであれば一言礼を言っておきたいのだが。

 そこで奏が颯人と共に戻ってきた。

「はぁ……はぁ……あ、戻ってきた」
「ふぅ……ちょうどいい、ちょっとタイム。何か飲もう……あ、小銭ねえ」
「ちょっと待ちなって」

 近くを一周して戻ってきた2人は、今度は奏の支払いでジュースを買い喉を潤してから3人の方を見る。

「んぐ、んぐ……ぷはぁ! な〜に、気にすんなって。颯人以上に面倒掛ける奴はいないって」
「んん、俺が何時面倒掛けたよ?」
「何時もの事だろうが!」
「奏だけだよ」
「尚悪いわ!」

 ついさっき追いかけっこして、たった今仲直りしたと思ったらまた喧嘩。目まぐるしく表情を変える2人──しかも片方は国民的アーティストだ──に、未来は目を白黒させた。

「あの、もしかして奏さんと颯人さんって……お付き合いしてるんですか?」
「ぶぅぅっ!?」


 とても親しそうにしている2人に、勘繰った未来が口にした言葉に奏が口に含んでいたジュースを思いっきり噴き出した。それを
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