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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第48話:3人寄れば姦しい
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 その日、リディアンの地下にある二課本部の廊下を2人の少女が歩いていた。
 1人は2人居るガングニールの装者の1人として二課に協力している立花 響。そしてもう1人は、その響きの親友である小日向 未来である。

 今日は正式に二課の外部協力者として力を貸すことになった未来を案内する為に、響と共に二課の本部を訪れていたのだ。

 響に案内されて廊下を歩く未来は、普段自分が勉学を学んでいる学院の地下にこんな施設があった事に驚きを隠せず物珍しそうに周囲を見渡しながら歩いていた。

「学校の地下に、こんなシェルターや地下基地があったなんて……」

 映画の中同然の光景に目を丸くする未来に、響は堪らず苦笑を漏らした。自分も最初、訳も分からずここに連れてこられた時は似たような反応をしたことを思い出したのだ。

 その時、前方に設置された自販機の前に5人の男女が居るのが見えた。何やら真剣な表情で拳を握ってにらみ合う、5人の姿に響は元気よく声を掛けた。

「あ! 奏さん、翼さん、颯人さん!!」
「ん? あぁ立花か。そちらは確か、協力者の──?」
「こんにちは、小日向 未来です」
「えっへん! わたしの一番の親友です!」

 そこに居たのは奏に翼のツヴァイウィングの2人に颯人、そして慎次と朔也の5人だった。彼らに対し未来は丁寧に挨拶すると、翼と慎次、朔也の3人は挨拶を返したが、颯人と奏の2人は適当な挨拶だけ済ませて再び睨み合いを再開した。
 その雰囲気に加えて前半3人はともかく、後半の2人までが一緒に居るのは少し珍しかったので響は思わず翼に問い掛けた。

「あの、翼さん? 奏さんと颯人さんは一体どうしたんですか?」
「大した事じゃないわ。ただどっちがこの場の全員にジュースを奢るかでジャンケンしようとしてるだけよ」

 翼の答えに、響はまたかと言いたげに乾いた笑い声を上げた。未来はその様子を不思議そうに眺めている。
 と、その響の笑い声が合図になったのか、颯人と奏は同時に拳を突き出した。

「「ジャンケンポン! ポン! ポン!!」」

 相子二回の後、ジャンケンの決着はついた。
 結果は颯人がグーで奏がパー、よってジャンケンは奏の勝利となり颯人はめでたく全員にジュースを奢る事となってしまった。

「シャァッ!!」
「クッソ!?」

 心の底から喜ぶ奏と、対称的に悔しがる颯人。奏は悔しがる颯人に機嫌の良さそうな笑みを浮かべると、これ見よがしに颯人に催促した。

「ほれほれ、ぼやぼやしてないでさっさと買いな。響! それに、未来だっけ? 2人も何か欲しい奴言いな」
「うぉい!?」
「えぇっ!? いや、そんな……」
「私達、今来たばかりですよ。悪いですって」
「気にすんなって。2人増えた位大したことないよ。
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