NO.006 牙狼族と事情聴取
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夜になって遠吠えとともに牙狼族の狼達がゴブリンの村へと攻めてきた。
イズクが心配だけど、まぁ俺よりは強いんだろうな。あれでも。
ちなみにちゃん付けは慣れないのでやめてと言われたのでイズクって呼んでいる。
それはそれとして牙狼族が攻めてきたんだから啖呵切った以上、俺がゴブリン達を守んないとな!
「とまれ!」
俺の言葉とともに牙狼族の何匹かは足を止める。
うーん? よく見ればこいつら何匹か昼間にスキル訓練の時に見た奴らか?
額に星マークがついている奴は特に強そうだな。
とにかく、
「いいか。一度しか言わない。しっかりと聞けよ。このまま引き返すならなにもしない。だからさっさと立ち去るがいい」
「スライムごときが!」
しっかりと忠告はしたんだけどな。
やっぱりそう簡単には聞いてもらえないよな。
その証拠に柵を乗り越えようとする狼達が次々と罠にかかっていた。
うん。急場しのぎとはいえ、対策はばっちしだったようでよかったよ。
「今だ。放て!」
その言葉が合図となって木の上で弓を構えていたゴブリン達が次々と矢を放っていく。
それで何体もやられていくのを見ていて焦っているのだろうボスらしい狼の顔はすぐれない。
「ぐぐぐ……スライムごときが」
「どうだ? 降参する気になったか?」
「誰が!」
その時だった。
「キャー!?」
「うわー!?」
「!?」
後方の方からゴブリン達の叫び声が聞こえてきた。
「ッ! 別同部隊か! しまった!」
「フフフ……どうだ」
なにやら含み笑いをするボス狼の顔が憎たらしい。
俺なら対処可能だけどゴブリン達だけじゃすぐにやられちまう!
でも、ボス狼を放っておくことも!
万事休すかと思った瞬間に響いてきたなにかの叫び声。
「にゃあああああああーーーーーッッッ!!!!」
その叫びとともに別動隊の気配が一瞬にして消え失せたのを感じて、これってもしかしてイズクがやってくれたのかという感想が生まれた。
出久は柵を作っている反対側の方で陣取っていた。
もしかしたら別動隊が来るかもしれないからだ。
【イズクも心配性だね】
「そうだね。でも、やっておくに越したことはないからね」
そんな会話をしている時に、
「牙狼族が攻めてきたぞ!!」
という連絡が聞こえてきた。
それで出久も何人かのゴブリンを引き連れて反対側に移動していた。
「しかし、イズク殿。本当にこちらにもやってくるのでしょうか?」
一人のゴブリンがそう聞いてきた。
それに出久はというと、
「僕の思い過ごしならいいんだけど、もし奇襲をかけてくるとしたらこっちだと思
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