暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン31 新世代の蕾、育むは水源
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マロカリス 攻2400

 青い甲殻に巨大な鋏を持つ古代生物の海の覇者、糸巻のエースモンスターの一角。その1ターン目からの召喚に改めて本人の宣言通り一切の手加減をする気がないことを感じた八卦が、ごくりと小さく唾をのんだ。

「まずは1体、アノマロカリスの効果発動。オーバーレイ・ユニット1つを使い、カード1枚を破壊する。まずはクノスぺ、お前からだ」

 バージェストマ・アノマロカリス(3)→(2)

 アノマロカリスの周囲を漂う3つの光球のうち1つがその口元へと軌道を変えて吸い込まれ、力を解放したアノマロカリスが交差させた鋏をひと振りしてX字型の青い衝撃波を放つ。右端にいたクノスぺにその一撃が直撃し、寸断されたその姿が消えていった。

「クノスぺ……!」
「おろかな埋葬を発動。この効果でデッキのモンスター1体、牛頭鬼を墓地に。そして墓地に送られた牛頭鬼は墓地のアンデットモンスター1体を除外することで、手札からアンデットを特殊召喚できる。たった今オーバーレイ・ユニットとして墓地に送られた不知火の宮司を除外し、手札の馬頭鬼を特殊召喚だ」

 馬頭鬼 攻1700

 いまだロック効果の生きているクノスぺには攻撃できず、唯一攻撃できる闇鬼には肝心の攻撃力が届かない。一見何の意味もないような特殊召喚に竹丸が首を傾げるが、今何が起きたのかを理解した八卦の顔は強張った。はじめからその狙いは、馬頭鬼の方ではない。

「このカードがゲームから除外された時、不知火の宮司の効果を発動。表側のカード1枚を破壊する、2体目のクノスぺも破壊!」
「ああっ!」

 クノスぺの守りが失われ、もはや残ったのは効果を封じられたに等しい最後のクノスぺと闇鬼のみ。ペロリ、と糸巻が捕食者の舌なめずりをした。

「だから言ったろ、後悔させてやるってよ。バトルだ、グラビティ・コントローラーで闇鬼に攻撃!」

 上空に重力を向けて垂直に飛び上がったグラビティ・コントローラーが、たっぷりと飛んだ後に闇鬼の位置に次の重力を向けて自由落下によるハイキックをまっすぐに敢行する。上空を見上げてそれを迎え撃とうとする闇鬼だったが……両者が接触する寸前、2体のモンスターの姿はともに跡形もなく消え失せた。

「グラビティ・コントローラーがエクストラモンスターゾーンのカードと戦闘を行う時、その戦闘を行う2体をデッキに戻す。これで邪魔者は消えた、やれ、馬頭鬼!アノマロカリス!切り裂け、抜刀乱舞カンブリア!」

 斧を手にした馬の頭を持つ筋骨隆々の鬼と、太古の海の覇者による連携攻撃。重たい斧の一撃がクノスぺの体を両断し、間髪入れず振るわれた鋏の一撃が邪魔されることもなく通った。

「きゃあああーっ!?」

 馬頭鬼 攻1700→E・HERO クノスぺ 攻700(破壊
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