ターン31 新世代の蕾、育むは水源
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るわけさ」
「お姉様のお友達、ですか。お初にお目にかかります、不肖お姉様の妹分を務めております、八卦九々乃と申します」
「た、竹丸夢です。八卦ちゃんの友達です」
ようやく緊張が少し溶けたところで、そろそろ本題に入る頃合いかと判断した糸巻が、なぜか引っ付いたままの姿勢からは動こうとしない隣の少女の背中をポンと叩いて促してやる。
少女の側もそれで自分がここに来た目的を思い出したのか、ようやくその口が開いた。
「実は、竹丸さんが最近、デュエルモンスターズをはじめまして」
「ほう……!こんな若い子がこのご時世に、ああいや、すまない。悪かった悪かった、おじさんが悪かったから続けてくれ、な?」
「おじさんだぁ?こんな子供の話の腰折っといた挙句なーにサバ読んでやがる、お・じ・い・さ・ん?」
急に鋭くなった視線と飛び掛からんばかりの勢いで急に口を挟まれ、またしても口をつぐんでしまった少女。本源氏も無論悪気があったわけではないが、糸巻から結構本気で睨みつけられたうえに今のは完全に自分が悪かったという自覚もあるためすっかり小さく縮こまってしまう。
それでもなお震える少女がまた口を開いたのは、よしよしとその頭を糸巻がたっぷりと撫でてなだめてやってからのことだった。
「そ、それで、せっかくだからお姉様にデュエルの指南をしてもらおうと……」
「アタシに?七宝寺の爺さんとか、一段落ちて清明とかじゃなくてか?どうせどっちも暇してるだろ」
七宝寺……かつて伝説と謳われたデュエリストの名に、またしても本源氏の目が興味深げに細まる。しかしそこで口を挟まないのは、さすがに彼も学習したからだ。
「それなんですけど、実は……」
「私のこのデッキを作るときに、清明さんと葵ちゃんの大叔父さんに色々教えてもらったんです。それで、最初に強い相手と戦って勉強するのがいいって教えられたので」
「それで私が相談されて、最初にお姉様のことを思いついたんです。やっぱりお姉様が私にとって、最強のデュエリストですから!」
「そ、そうか……」
キラキラと輝く目でまっすぐに敬愛するお姉様の顔を見つめる少女に、いつものこととはいえその視線を直視できず居心地悪そうに目を逸らす糸巻。そして、普段学校で見ていた姿とはまるで違う子犬のような一面を見せる親友の様子にどうしたものかとおろおろする眼鏡少女。
「愛されてるな、糸巻。では、こういうのはどうだろう」
そこでポン、と手を叩いたのが本源氏である。また泣かせたら承知しないぞ、という冷たい視線もどこ吹く風に、しかし先ほどのように急に距離を詰め、無駄に怖がらせたりはしない。
「……で、なーんでアタシがこんな?自分で言い出したんだから自分でやりゃーいいじゃねえか」
「なに、せっかく
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