暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン31 新世代の蕾、育むは水源
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のたまっていたな」
「うーん、いや、そうか?」

 その言葉に糸巻も深く煙を吸い、吐き出し、たっぷり数分間かけて現役時代の自分の言動を思い返してみた。今よりとんがっていたことも、何かと敵を作りやすかったことも否定はできない。しかし、そこまでのことをやるかと問われれば……。

「……ま、アタシもそれだけいい女になったってことにしといてくれ」

 ほぼ間違いなく、過去の自分ならそれぐらいのことは平気でやっていただろう。しぶしぶそう結論付け、誤魔化すように携帯灰皿に残り短くなった煙草を突っ込んだ。

「なら、そのいい女にひとつ情報をやろう」
「あー?」

 眩しそうに目を細め、少女2人を見つめる本源氏。ちょうどどちらかが冗談でも言ったのか、カードを片手に楽しそうに笑いあっていたところだった。

「俺たちが裏で戦ってる間にも、ちゃんと表の世界でも新世代のデュエリストは育っていた。そう思うと、急に『BV』だなんだとやっていることが馬鹿らしくなってきてな」
「……気づくのが遅いんだよ、爺さんや」
「まあそう言うな、それと、まだそう年でもない」

 よほど面白いのか、まだくすくすと笑う少女たちにつられたように微笑を洩らし、本源氏が口を開く。そこからもたらされた情報は、彼女の捜査に極めて有用なものだった。
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