NO.005 ゴブリンの村とスライム
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「(ふむ。でも、魔物の村を捜索と言ってもまず村がどこにあるのわからないんだよね)」
出久はこの広大なジュラの森の中をひたすら歩きまわっていた。
道中でなぜか襲ってくるトカゲやら蛇やらクモやらの巨大なモンスターがいたが穏便に『全言語理解&服従』を使い、怯えさせて退散してもらった。
オーラを駄々洩れにさせれば近寄ってこないだろうが、トレイニーの言いつけであまり力は出しすぎないようにと言われているので出久は素直にその約束を守っていた。
しばらくするとなにやら貧相ではあるが小さい村のようなものが見えてきた。
そこではなにやらゴブリンらしき者たちが一か所に集まって誰かにお辞儀をしている姿が見えた。
『ねぇフォウ。なんかあのゴブリン達、見間違いでなければスライムにお辞儀していない?』
【そうだね、イズク。少し魔力の気配を解いて話しかけてみる?】
フォウの提案で出久は魔力を少しだけ滲みださせると途端にゴブリン達はこっちへと振り向いてきた。
「グガッ! 何者だ!!」
「まさかもう牙狼族が来たのか!?」
と、もう大騒ぎになっていた。
「なんかタイミング悪かったかな……?」
【うん。少し勘違いしているみたいかもね】
それで出久はまたしても『全言語理解&服従』を使用しようとしたが、それより前に、
「落ち着け! お前たちはこの俺が守るっていったろ! 任せろって!」
そんなどこか中性的な声が聞こえてきたので、とりあえず出久は構えを解きつつも、
「あのー、すみません……なにかお取込み中でしたか?」
と、下手に出てなんとか話し合いに持って行こうとしていた。
ただ。
「猫娘!? かあいいなー……」
ゴブリンの群れの中から出てきたスライムの一声がそんな反応だったために出久は「うーん?」と首を傾げる事態になっていたとか。
俺、スライムのリムル。
なんやかんやあってって言ってもいろいろあったんだけど、この世界に転生してきて暴風竜ヴェルドラとも友達になったあとに、ヴェルドラの封印を解除するためにヴェルドラを胃袋に捕食したあとにスキルを磨いて、封印の洞窟を出た後にこうしてゴブリン達の事を守るって約束したばかりなのに、なんの気配もなく突然小学生くらいの子供の猫娘が現れたので興奮していた。
だってさー、つぶらな瞳に少し素朴っぽい感じの顔立ち、それでも可愛くて猫耳がチャーミングであり、二股に分かれた尻尾もゆらゆら揺れていてカワイイ!
っていうかさ、大賢者。
なんでこんな子が近くにいるのに知らせてくれないのさー?
【告。敵意が感じられなかったために知らせるほどでもないと】
そーかい。
ま、敵意がないなら好都合だな。
この子もはぐれちゃったのか
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ