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曇天に哭く修羅
第四部
Dブロック 3
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を使ったりするわけじゃあないんだが」


気は【関門】から発生する。

関門が有る場所を見極めて攻撃を行う。

(しか)るべきタイミングで。

すると破壊できるのだ。


(ここで【神が参る者/イレギュラーワン】として覚えた最後の能力が役に立つ)


焔が右の拳に魔晄を集めた。

【禍孔雀/かくじゃく】だ。

黄金の魔晄が外装から放たれる。

焔は右ストレート。

紫闇も青い魔晄を帯びた右ストレート


「【神討つ拳狼(フェンリスヴォルフ)】」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



二人の拳が衝突した結果、焔の外装は砕け散り、右手の骨も粉砕された。


(治らない……)


氣死快清が働かない、と言うより右手に魔晄が流れない状態になってしまったようだ。


「右手の関門を壊した。少なくともこの試合で使えるようにはならないだろう」


神討つ拳狼を使わずとも打ち合って勝つ自信は有ったが焔に対してはこの方が良いだろうという判断で使わせてもらった。


神討つ拳狼(フェンリスヴォルフ)】の能力。

それは拳に魔晄を集中・凝縮させ、魔晄・外装・異能・超能力などを無効化して破壊してしまう力を持った高威力の一撃。

概念系能力の側面を有しており、拳に込められた魔晄を上回るような概念でなければ物理的な事象も問答無用で無効化してしまう。

打ち消す力の量が多かったり、規模が大きかったり、複雑な仕組みの能力だったり、格上の相手には効きが悪くなるが、それでも強力。


「つくづく恐ろしい奴になったね紫闇」

「この半月で互いの差が埋まるどころか逆に追い抜いたけど最後まで()るよ焔」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


確かに勝ちたかった。

彼女を超えたかった。

その後を追い、背中を見てきた。

だがもうどうでも良い。

焔は自分より弱くなり、戦って面白い相手ではなく、勝って当たり前と言われてしまうような三下になってしまったのだ。


(真眼で本気を出してないのは解る。けど『今の』焔が出せる限界なのも解ってるんだ。だからもう良い。今日のところはこれで)


紫闇の目が胸部の辺りに有る最も大きな関門を見据えながら拳を握る。


「黒鋼流真打・【覇天焔武(はてんえんぶ)】」


決めれば体に流れる魔晄が全て止まり、人間なら確実に死ぬ最終奥義。

それを6割ほどの力で放つ。

喰らった焔の体は武台を包む結界を硝子のように砕いて飛んでいき、観客席に激突すると、そのまま席を削りながら登っていく。

そして最上段の壁に叩き付けられると一つのクレーターに無数の亀裂を走らせながら、運動エネ
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