暁 〜小説投稿サイト〜
仮想空間の歌う少年
2ーOverture (中編)
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時刻が21時になる。するとAR空間…景色が一変する。ビルがまるで時計塔のように変わり。街全体が中世の西洋風の街並みに変わる。

「ほー。すごいねぇ…。」

相変わらず凄い技術だ。そう思いながら僕は前方を睨む。そこに現れたのは…。

「『カガチ・ザ・サムライロード』だね…。」

確かアインクラッド第10層のボスだっけ…。縦に人3人程の大きさの鎧武者がゆっくりとこちらに歩いてくる。僕はオーグマーに付属しているリモコン程の大きさのガチェットを手にする。するとARの中では大鎌へと姿が変わる。…良かったよ。このゲームの中にも大鎌があって。
キリトはボスモンスターを睨みながら。

「今の俺たちはソードスキルを使えない。だけど攻撃パターンが昔のままなら。」
「…攻略は可能、ってことだね。
ふー。…さてSAOのボスモンスターが出るって分かったし。僕は帰るねー!」
「…。」
「申し訳ございません。アスナ様。お願いします。詩乃に連絡だけは。ちゃんとやりますから。」

帰ろうとした直後、またも暗い笑顔で僕を睨みつけるアスナ。嫌だ。まだ僕は死にたくない。

「おい!来るぞ!」

そうキリトが叫ぶと『カガチ・ザ・サムライロード』はこちらに駆け出してきていた。
さらに…。

「みんながんばってるー?さあ、戦闘開始だよ!」

すると周りのみんなは大きく盛りあがっていた。

「お、ユナじゃん!」
「情報は正しかったんだ!」

そんな中僕はそれを見て、聞いて。はあ、とため息をついた。

「うげっ。ユナじゃん…。」

正直に言うと僕はこのタイミングでのユナが苦手だ。何故かと言うと僕はいつも歌いながら戦うので他の歌が入ると不協和音になるからだ。
しばらくするとユナの歌う声が空間に響き渡る。

「まあ、頑張りますかね!」

僕はユナの歌う声に合わせて大鎌を仮想空間の中の時のように大鎌をクルクルとバトンのように回すとカガチ・ザ・サムライロードに向かっていった。













































「9人か…いいぞ。」

秋葉原UDXの2階。その少年は今、バトルに参加しているメンバー表を見る。隣ではカガチ・ザ・サムライロードの遠距離攻撃をくらい、遠距離攻撃のプレイヤー数人がゲームオーバーになっていた。

「…スノードロップ。」

その名前を見て、青年は忌々しそうに呟いていた。
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