仮想現実の歌う少年
1ーOverture (前編)
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詩乃に冷たい目で見られるのは嫌だ。
「んじゃ…そうですね。」
「ならね…。」
ニヤニヤしながら僕の方を見るとオーグマーを操作する。すると…。
「!?」
僕の周りがまるでアイドルが歌うようなステージのようになり…。ミュージックがスタートする。
「この曲…。」
確かユナのデビュー曲か…それなら聞いた事あるから…。
僕はその曲のリズムに合わせて歌を歌い始めた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「はー…。」
「相変わらずの歌…。」
歌い終わると僕の周りはまるで有名人が出現したかのように人だかりができていた。「なんだこの人…凄い。」「まるでプロみたいだ…。」「え?プロのゲリラライブか!?これ?」とか言われていた。
「ざっとこんな感じかな♪」
僕は人混みの中にわざと入り、遠くで見ていた明日奈達の方へ向かう。
「ノーノーの歌!凄くお上手でした!」
「ありがとう♪」
僕はユイに道化師のようなお辞儀をする。すると珪子が僕と和人に向けて目を再び目をキラキラさせて。
「スノーさん!そんなに歌えるならユナのライブ行きましょう!キリトさんも!」
「俺はそんなにユナのファンじゃないからな。」
「うーん。僕はチケットが無いからね…。」
「まあ、気が向いたらな。」
そう和人が言うとオーグマーを擦りながら。
「面白そうなガチェットではあると思うよ。
…でも俺はフルダイブの方がいいな。」
「戻りたい…なんて言わないでよね。」
里香がそう言って心配そうにキリトを見る。空気が重くなる中、珪子がそういえばと言うと。
「アインクラッドって言えば例の噂、本当なんでしょうか?」
「例の噂?」
どうやらオーグマーのMMO、オーディナル・スケールにSAOのボスモンスターが出現する…という噂らしい。
「出てくる場所がギリギリまで分からないから足のない私たちには難しいのよね…。」
里香がそう言うと明日奈はあら?と返す。
「足ならあるじゃない。
…ねえ?キリトくん?スノー?」
「…ん?」
「…嫌な予感。」
僕はさっきの僕のような暗い笑顔を浮かべた明日奈を見て背中に冷たい汗が流れる。
…ガソリンまだ残っていたかな…?
そう考えながら明日奈の考えを聞いて再びため息をついた。
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