暁 〜小説投稿サイト〜
仮想空間の歌う少年
仮想現実の歌う少年
1ーOverture (前編)
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「君たち、ちょっとゲームし過ぎなんじゃないか?」

キリトがそう言う中。かく言う僕もそんなことを思っていた。
とあるファミレスで僕達はのんびりしていた。ちなみにメンバーは僕と和人と明日奈と珪子と里香の5人だ。ちなみに詩乃は今日はバイトらしい。僕は明日奈と珪子と里香が3人がゲームをクリアしたの見計らってため息をついた。確かこのゲームクリアするとケーキのサービスがついてくるんだっけ。

「オーグマーねえ…。」

フルダイブ機能を排除した代わりに、AR(拡張現実)を最大限に広げたマシン。フルダイブしないから安全性が高いので今かなり人気なんだよね…。

「スノーはどうなんだ?」

和人が聞いてきたので僕は再びうーんと唸ってオーグマーを指に引っ掛けてクルクルと回す。

「僕はねぇ。仮想空間と現実世界はごっちゃにしたくないんだよねえ…。」
「あれ?以外ですね…。スノーさんならこういうの喜んで飛びつきそうですけどね。」

珪子が不思議そうに僕を見てくるのでアイスティーに入れたストローをカラカラと回しながら。

「うん。だからね。僕は正直に言うと嫌いかなぁ。」

しばらくするとゲームクリアの特典のケーキが運ばれてきて欲しいなと思ったけど。ぐっと我慢した。偉い。

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「オーグマーがあればユイちゃんともいっぱいお話出来るね。」
「はい!」

僕は仕方なく。オーグマーを付けているとユイと明日奈が話していた。
それを見てふっと笑いながら珪子に話しかける。

「あ、そう言えばそっちの学校ってユナのファーストライブ全員招待されたんだっけ?」
「そーなんですよ!スノーさん!残念ですね…うちの高校に残って入ればタダで行けたのに…。」

ユナ…世界初のARアイドルとしてデビューした彼女はプログラムで動くAIらしいのだが言葉の表情の自然さから人間が動かしてるとも言われている。
珪子はキラキラとした目で僕を見てくるので僕は笑顔を崩さずに。

「うん!興味無い!」
「スノーさん…早いですよ…。」

すると珪子は閃いたようにドヤ顔で僕の顔を指さす。

「ひょっとしてスノーさん、ユナの方が歌が上手いから拗ねてるんですか?」
「シリカちゃん?言っていい事と悪いことがあるよね?これは一体どっちの方かな?」

暗い笑顔で珪子の方を見ると、ひっ!と後ずさる。それを見て里香がはあ、とため息をついた。

「スノー。後でシノンに報告するわよ?『シリカを泣かせた』って。」
「え?え?え?僕は悪くなくない?だって…」
「電話しまーす。」
「やめてくださいお願いしますそれだけは。」

僕はそう言って平謝りで2人を見る。嫌だ。あとでまだ死にたくない。
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