第百四十八話 蝦夷へその九
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「僕もや」
「碧ちゃんにやね」
「勝つわ」
絶対にとだ、芥川は綾乃に約束した。
「何があっても」
「そうしてやね」
「何があっても軍勢同士の戦に入ってな」
「敵軍を倒してくんやね」
「二十倍の数はもうそれだけでとんでもない」
どうしようもない戦力差になっているというのだ。
「そのことを考えるとな」
「うち等三人もやね」
「戦に参加せんとな」
「勝つことは出来んね」
「それでや」
「何としてもやね」
「僕等は一騎打ちに勝って」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「軍勢同士の戦に参加して」
「そうするんや」
「ほなな」
「とにかくな、今回の戦はな」
「二十倍の敵を相手にする」
「このことがほんまに大きいわ」
何といってもというのだ。
「そこから考えてな」
「そしてやね」
「戦う、そのことはな」
「絶対のことやね」
「そや、ほな蝦夷においてな」
「ゆっくり英気を養って」
「そこから北東に進んで」
蓬莱をそうさせてというのだ。
「決戦や」
「そうなるね」
「今は蝦夷の海の幸や山の幸を楽しもか」
そうして英気を養おうとだ、芥川は笑って話した。
「お酒は飲めへんけどな」
「はい、蝦夷はです」
その蝦夷を治めている千歳が言ってきた。
「海の幸も山の幸も農作物もです」
「何でもやな」
「ありますので」
だからだとだ、千歳は芥川に笑顔で話した。
「ですから」
「楽しんだらええな」
「ふんだんに食べて下さい、あとお酒は駄目でも」
それでもとだ、千歳は飲む方の話もした。
「牛乳もあります」
「ああ、牛乳か」
そう聞いてだ、中里は表情を明るくさせて述べた。
「ええな」
「中里さん牛乳お好きですか」
「実はな」
笑顔でだ、中里は千歳に答えた。
「お酒も好きやけどな」
「牛乳もですか」
「好きや」
「それで、ですね」
「牛乳飲めるんやったらな」
それならというのだ。
「楽しみや」
「それでは」
「飲ませてもらおうか、蝦夷の牛乳」
「乳製品も一杯あります」
「そっちも楽しみやな」
「では」
「海鮮丼も食べて石狩鍋も食べて」
麻友は楽しそうに言ってきた。
「お刺身、お寿司、ジンギスカン鍋に」
「蝦夷は色々ありますね」
鈴子も言ってきた。
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