第百四十八話 蝦夷へその一
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第百四十八話 蝦夷へ
地下世界と北極上空の同盟軍が乗り込んでいる移動要塞エシュシオンはベーリング海峡からベーリング海に入っていた。
その報は日本にも届いていた、それで綾乃は日本の星の者達を集め軍議に入っていた。今彼等は蓬莱をアメリカ戦の後で江戸に戻して将兵の傷を癒し復活させかつ整備と補給を行っていた。
綾乃はその中で彼等を集めて言った。
「今同盟はベーリング海におるそうや」
「あちらですか」
千歳が綾乃のその言葉に応えた。
「蝦夷に近いですね」
「そやね」
「では、ですね」
千歳は綾乃にすぐに言った。
「我々はこれより」
「蝦夷にやね」
「あちらに向かって」
そうしてというのだ。
「そちらからですね」
「戦うことになるね」
「そうなりますね」
「ほなここは」
綾乃は千歳と話しつつ述べた。
「将兵の傷が癒えて整備と補給が終わったら」
「蝦夷にですね」
「行ってな」
「そこを拠点として」
「同盟と戦おうな」
「さて、その際ですが」
ここで太宰が言ってきた。
「一つ問題があります」
「問題っていうと」
「はい、ベーリング海の辺りはロシアの領土ですね」
「アメリカとやね」
「アメリカは太平洋の国なのでこの際問題ではないですが」
「ロシアはやね」
「中立を宣言していますが」
それでもというのだ。
「流石にロシア領での衝突は避けるべきです」
「中立国の領内で戦とかあかんね」
「はい、日本領で」
そこでというのだ。
「戦うべきです」
「そういうことやね」
「この世界の日本の領土は蝦夷の方は北方の四島までです」
「千島はロシア領やから」
「そちらに入ってはいけません」
断じてというのだ。
「そのうえで、です」
「戦うべきやね」
「はい、若しロシア領で戦いますと」
「エカチェリーナちゃんもええ顔せんね」
「外交問題に発展します」
「そこは注意やね」
「既にロシアは警戒しているでしょう」
このことについてとだ、太宰は述べた。
「そしてです」
「海軍とか出してくるやろか」
「おそらく、ウラジオストクかや」
「あの街には難波がいる」
室生は鋭い目で彼の名前を出した。
「確実に警戒してくるな」
「はい、なら我々はその警戒を受けて」
「ロシア領には入らないことだな」
「そうしてです」
「同盟と戦うか」
「そうしていきましょう」
太宰は室生にも話した。
「この度は」
「ではな」
「法的にはそこが問題です」
何といってもというのだ。
「戦も無法ではです」
「それはゴロツキのやることだがや」
坂口はそれは論外だと述べた。
「暴力の話だがや」
「左様ですね、ですから」
「戦でも法は
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