NO.003 ドライアドのトレイニー
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……他にも異世界から渡ってくる異世界人などの存在も確認できていますね」
「そうなんですか……」
「それで、あなたの事はなんとお呼びすればいいですか? 転生してきたばかりなのでしたらまだこの世界での名はないのでしょう?」
「名前……? 生前の名前でしたら『イズク』がありますけど……この世界って名前って結構重要なんですか?」
「はい。この世界は人間は普通に名付けられていますが、魔物などはほとんどは名前を持ち合わせていません。そしてもし名前があるのでしたらその魔物はネームドと呼ばれ、誰かの眷属に力とともに名付けられるものが多いです」
「そうなんですか……」
「はい。しかも名付けは魔素を大量に消費するためにほとんどの場合は力あるものしかできない行為なのです」
そのトレイニーの説明を聞いて出久は納得しつつも、思った。
なぜ初対面の自身にここまで丁寧に説明してくれるのかと。
「あの、トレイニーさんはなんで僕にそこまで丁寧に説明してくれるんですか……?」
「ふふふ……なんででしょうね。ですがあなたの聖なる気配も関連してか悪人ではないとわたくしの勘が告げているのです」
「はぁ……それはどうもありがとうございます」
【よかったね、イズク】
穏やかな笑みを浮かべているトレイニー。
とりあえずトレイニーからは良い評価を貰っている事に出久は安堵しつつ、するとトレイニーがある質問をしてきた。
「それでですが、もしよろしければ前の世界であなたは何をしていたのかを聞かせてもらってもよろしいでしょうか? その聖なる気配を出せる意味もそれで分かるかもと思うのです」
「いいですけど……ちょっとフォウと相談させてください」
「わかりました。しばし待ちますね」
トレイニーからそう言葉が返ってきたので、出久は心の声でフォウと会話をする。
『それでフォウ。どうする? 僕としてはトレイニーさんは信用できると経験上分かるんだけど』
【イズクがそう感じたなら私が意見する事なんてないよ。それにこの世界に来て初めて出会う人(?)だしなにかと情報も必要となってくるから、私としても話すのは賛成かな】
『そっか。うん……それじゃ?い摘んで話すね』
それで出久は決心しつつ、トレイニーに向き合って、
「それじゃ話しますね。僕の生前してきたことを……」
「はい。ありがとうございます」
「僕は前の世界ではヒーローをやっていました」
「ヒーロー……ですか?」
それで出久は説明をしていく。
個性社会となって一回荒廃した世界で、それでも立ち上がって頑張ってきた前の世界の事を。
そして自身は色々な人の助けもあってたくさんの人の命を救ってきたことなど……。
?い摘んで簡単に説明が終わると、トレイニーはどこか感動しつつ、
「なるほど……
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