NO.003 ドライアドのトレイニー
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されて最適化されているわけでもないからね。たぶんただの人間の平均寿命だと全部会得するのは困難だと思うなー。廃人一直線……?】
「そんなことはないと思うけど、万が一耐えられなくなってワンフォーオールを放棄していたらと思うと怖いよね……」
【大丈夫だよ。イズクが選んだ子でしょ? きっと立派に成長してくれているよ】
「そう願うばかりだね……」
そんな事を話していた出久とフォウ。
実際、弟子は出久が逝ったあとにさっそく猫娘に変化してしまって色々と挫折しそうになっているのはここは言わぬが花である。
きっと、半分ワンフォーオールに宿った出久の魂たちがなんとかしてくれるだろう。そう願いたい。
そんな時にその場に一陣の風が巻き起こった。
「わっ? なに!?」
【イズク! なにか来るよ!】
―――――そのお話、わたくしにもお聞かせくださいませんか?
その言葉とともに風が止むとそこには緑の髪をしたどこか神秘性を伴った感じの女性が立っていた。
その突然の登場に出久は一瞬言葉が止まってしまっていた。
女性はニコリと笑みを浮かべながらも、その瞳は真剣そのものであった。
「あ、あなたは……」
「わたくしの名はトレイニー。このジュラの大森林の管理者である樹妖精です」
「ドライアド!? それってファンタジー世界では結構有名な……」
「あら。わたくしの存在はご存じなのですね。それよりお聞かせくださいませんか?名も分からない聖獣様。あなたはどのような理由を持ちましてこのジュラの森に出現したのですか?」
「せ、聖獣……? 僕が?」
「あら? 自覚はないのですか? あなた様からかなりの聖なる気配を感じられるのですが」
「そうなんですか? フォウ、わかる?」
【そうだねー。多分生前の功績かなんかでそんなものを纏っているのかもねー。イズク、かなりの人数救ってきたわけだし】
それで出久も自覚する。
万単位での人の命を救ってきたわけだからそのくらい当然なのかな、と……。
「その、フォウさんというのはどなたですか? この森に現れた時から独り言のように会話を成されていますがなにかのスキルなのでしょうか?」
「えっと、はい。僕の昔からの相棒であり、今はスキルの一つで『治癒者<イヤスモノ>』というものになったらしいんです。
それと先ほどの突然現れたというのは、信じられない話だとは思うんですけど多分僕がこの世界に転生してきた瞬間だと思うんです」
それを聞いたトレイニーは驚愕の声を上げる。
「まぁ! あなたは転生者だったのですか」
「あれ? 意外な反応……もしかして僕以外にも転生者って結構いるんですか?」
「まぁいるといえばいると思います。わたくしは会った事はありませんが
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