第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第61話 神の依代と幸運の女神:後編
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たという訳であったのだった。
それは勇美も依姫も、勝ちからだけではなく、負けからも学ぶ姿勢が強い律儀な者達である事をフォルが考慮しての事だったという訳である。
「フォル様、有り難うございました」
「わ、私からも!」
そんなフォルの計らいに、二人はこぞってお礼の言葉を口にした。
対してフォルは、健気な二人に温かい微笑みを見せながら、名残惜しそうに口を開いた。
「依姫さん、今回の戦い、楽しかったですよ。
それではお二人さん、そう会う事はないかも知れませんが、機会があったらよろしくお願いしますね」
その言葉を最後に、フォルは再び竹林の奥底へと姿を消していったのだった。そんな最後の帰り際まで、フォルは圧倒的に神々しい雰囲気を醸し出していた。
暫くそんな魅力的な女神の後ろ姿に見とれていた勇美であったが、意識を持ち直して言った。
「それじゃあ、永遠亭に帰りましょうか」
「そうね」
依姫もそれに賛同するのだった。
そして、帰路につき始めた二人を後ろから見ていた影があった。
「あの二人、これからも楽しみウサね」
◇ ◇ ◇
「う〜っ……」
永遠亭への帰路の最中、勇美は不満げに唸っていた。それを何事かと依姫は聞く。
「どうしたの勇美? フォル様との勝負の事に関しては解決した筈でしょ?」
「それは済みましたけど、まだ問題はあるんですよ〜う☆」
その答えを、勇美は膨れっ面で言う。
「フォル様は絶対『穿いてない』のに、それを確かめる事が出来なかったんです。黒銀勇美、一生の不覚です!」
そう力説する勇美に、依姫は腫れ物を見るような視線を送る事にしておいた。
「何ですかその目は?
フォル様のお召し物と、蹴りを使わない戦い方から、私の直感がそう告げているんですよ☆」
「……勇美、貴方は刺激の強い戦いを見た後だから疲れているのよ。
今日は夜はホットミルク飲んで早く寝なさい」
様々な意味で優しい気持ちになりながら依姫は勇美に語り掛けるのだった。
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