第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第60話 神の依代と幸運の女神:前編
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烈にしている古代ギリシャ調の白いワンピース。
そのスカート部分が火柱の炎と爆発により焼け焦げていたのである。
「あらまあ、これは……」
落ち着いた雰囲気を保ちながらも、驚いた態度で呟くフォル。そこへ依姫が言葉を掛ける。
「これは失礼しました。勝負に夢中になってとんだご無礼を働いてしまったようですね。
それ程までの立派なお召し物ですから、さぞかし貴重でしょうに」
「いいえ、お気になさらずに。この服は神力で作ってありますから、修繕は容易なのですよ」
皮肉の応酬をし合う二人。両者とも紳士的な口調であるが、互いに戦いが興に乗って来た事を示しているのだった。
そんな二人のやり取りを見ながら、勇美は思っていた。──まるで次元の違う戦いだと。この勝負の内容に自分の付け入る隙がないと痛感させられる。
だが、そこは黒銀勇美というものである。同時に『自分の神力で服を作れるなんて便利』等と思っていた。
これをうまく使えば、外で人目の付かない所で裸で日向ぼっこして、人が来たら服を精製する等すれば露出プレイに大活躍だなと仕様もない事を考えていたのだった。
そんな脳味噌がピンク色に染まっている勇美なものだから、次にフォルが取る行動は刺激が強すぎたようだ。
「でも困りましたわね。いくら服は簡単に修繕出来ても、これでロングスカートでは動き辛くて戦い辛い事が分かりましたね」
そう言って、フォルはおもむろにスカートの焦げた部分をビリビリと破ってしまったのだった。聖女そのものといった風貌と振る舞いの彼女が行うそれは、大胆かつ破廉恥以外の何物でもなかった。
そして当然、変態的趣味嗜好の勇美の脳には直撃する事件なのであった。
「うわあ〜、フォル様がスカートをお破りになってなさるぶふぅ〜」
勇美は見事にノックアウトされて鼻血を噴出させたのだった。その醜態は紅魔館のメイド長にも匹敵する程であった。
その様子を見ながら依姫は頭を抱えた。
「……お言葉ですがフォル様。あの子の前ではそういう刺激的な行為は自重して頂けると助かります」
「これはたいへんしつれいいたしましたわ〜♪」
依姫に返すフォルの口調は、実に軽やかかつ棒読みであった。
その瞬間依姫は思った。このお方、絶対に故意犯だったなと。
悪戯心が過ぎるなと依姫は頭を抱えるのだった。まるで永遠亭に住む健康マニアのあの兎みたいだと。
それはそれと気持ちを切り替え、依姫はフォルに向き直った。
そこにはスカート部分が短くなり、かつ裾は破れているという刺激的過ぎる女神がいたのだった。
更に彼女自身の肉体的造型の魅力により、すらりとしつつ、むっちりと肉が付いた扇情的な美脚がそこから伸びている。
ああ、これは。依姫は思いながら視線を勇美に移した。
そうすれば、鼻血は治まったも
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