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MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第59話 新たなる挑戦者
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 勇美が皇跳流という強力な相手に打ち勝ってから暫くの事。彼女は今日も依姫に稽古をつけてもらっていたのだ。
 勝負の行方は五分と五分だが、やや勇美が押される形となっていた。
 そこで、勇美は口を開く。
「咲夜さん、『あれ』やりますか?」
 そう、勇美の隣には十六夜咲夜がいたのだ。
 彼女はフランドールの一件で自分の力不足を痛感し、依姫に修行をつけてもらう事に決めたのだ。今この場に彼女がいる事が、その決心がハッタリでないのを物語っているのだった。
 そして、依姫の提案で彼女と勇美&咲夜との勝負を行っているのだった。要は一対二の戦いである。
 それでいながら依姫は二人をやや押す形となっているのだから、彼女の力の底が知れぬ事を表していたのだ。
 そこで勇美が咲夜に提案しているのだった。この勝負に勝つ為に秘密裏に二人で練り合わせた秘策を実行する時だと。
「ええ、分かりましたわ。今しかチャンスはありませんものね♪」
 対する咲夜も乗り気で勇美の提案に乗るのだった。
「じゃあ、行きますよ」
「お任せ下さい」
 二人は言い合うと、まず動いたのは咲夜であった。
 彼女は背後に時計のような紋章を浮かび上がらせると、彼女の能力である『時間操作』を発動しようとする。
 だが、そうは問屋の卸さない依姫であった。二度に渡り咲夜と勝負した経験のある依姫は、彼女の能力の手強さをより知っていたのだから。
 そんな咲夜に対抗すべく、依姫は彼女に相応しい神を降ろす事を選ぶ。目には目といえる神である。
「『クロノス』よ……!?」
 そう『時の神』に呼び掛ける依姫であったが、咄嗟に違和感に気付く。──彼女にその神の力が備わらないのだ。
 何故……? その依姫の疑問を勇美は律儀に答える形となった。
「残念ですね、彼は私が予約済みだったんですよ♪」
 自分が使おうとした神の力には先客がいたという事である。
 してやられた、依姫は思わず歯噛みした。
「では行きますよ」
 そう言って勇美はパチンと指を鳴らすと、依姫の背後に何者かの気配が現れた。
 そして、彼女の意識が及ばない内に、それは現出していたのだった。
 その者の名を勇美は宣言する。
「【時械「タイム・マシーン」】……」
 そう勇美に呼ばれた存在は、黒いマント状のマントを身に付け、体は未来のサイボーグのような禍々しい造形をしていた。
 その者へ勇美は間髪入れずに指令を送った。
「頼むよタイム・マシーン。『ハンド・レッド』!」
 その指令を受けた鋼の使者は機械の瞳を妖しく光らせると、両手を交差してポーズを取った。
 そして、そこから勢い良く両の腕を解き放ったのだった。
 すると、彼の体中から大量の時計の針のような刃物が放出されていった。
 ──それは正に、時計の(ハンド)が、|百個
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