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MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第59話 新たなる挑戦者
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そう答えたのは依姫であった。
「そうね、本題に入りますわ。
 あなた、綿月依姫さんと言うのですね?」
「はい」
 名前を言い当てられても依姫は動じなかった。何せ相手は女神なのだ、人知の及ばない事を行っても何ら不思議はないのである。
 そして、遂にフォルは踏み切った発言をしたのだった。
「依姫さん、私と弾幕ごっこをして下さい」
 思い切った、それでいてシンプルな申し出であった。
 フォルのような存在感を放つ程の者、ましてや女神ともなれば依姫に望む事は限られてくるのだった。
「あなた方の活躍は私の元にも届いています。
 なので、依姫さん。お互いに相手にとって不足はない筈ですよ」
 依姫はその言葉を、暫し無言で聞いていた。
 フォル程の存在が自分の事を認めてくれているのだ。それを依姫は素直に誇りに思うのだった。
 それと同時に、その言葉にはフォル自信の自身が含まれている事も依姫は見逃さなかった。だが、それを依姫を嫌味には感じなかったのだ。
 それは普段自分も振る舞っているような態度であった。つまり、フォルも自分をすべからく大切にする堅実さを持っている事を物語っているのだ。
 その事実だけでも依姫は相手の底知れぬ実力を感じ取るのであった。依姫程の者だからこそフォルの奥の深さが分かるのである。
 だからこそ、依姫の答えは決まっていた。
「ええ、フォル様。貴方の申し出、受けて立ちます」
「そう言ってくれると嬉しいわ」
 ここに依姫と女神フォルのカードが誕生したのだった。これから二人の接戦が始まるのである。
 だが、その前にフォルは勇美の方を向き語り掛けた。
「黒銀勇美さん。これからの私達の戦い、よく見ておくといいでしょう。きっとあなたの糧になるでしょうから」
 だからあなたもこの場に呼んだのです。フォルはそう付け加えて、正に女神の慈悲の如き笑みを称えて勇美を受け入れるのであった。
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