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MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第59話 新たなる挑戦者
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ントをこなし、勇美はこれから自由時間をどう満喫しようかと考案していた。ちなみに咲夜は既に紅魔館へと帰っていた。彼女には紅魔館を回すという多忙な仕事が毎日存在するのだから。
「咲夜さん、大変だなあ〜……」
 その事に思いを馳せながら勇美は呟いた。自分と同じ『人間』であるから年齢はさほど離れていない筈である。そんな中で彼女は自分が足下にも及ばない程しっかりしているのだ。そこには尊敬の念すら覚えるのだった。
 だが、今は他の人の多忙さを憂っているのは時間が勿体無いというものだ。そう思いながら勇美は、気付けば永遠亭の台所まで歩を進めていたのである。
 そこには永琳がいたので、勇美は彼女に声を掛ける事にしたのだった。
「あ、八意先生」
「あらどうしたの勇美ちゃん?」
 どうしたの? そう聞かれて彼女は困ってしまった。特にこれといって永琳に用はなかったからである。
 どうしたものか、そう思っていると、勇美は口の中が乾いている事に気付いたのだ。そこで迷わず彼女はこう提案した。
「八意先生、何か飲み物を下さい」
 そう、勇美は先程の修行で水分を消費し、それを体が欲している所なのであった。その体のシグナルに勇美は従う事にしたのだった。
「ええ、いいわよ」
 その勇美の要望に、永琳はにこりと微笑み承諾するのだった。
「烏龍茶でいいかしら?」
「ええ、お願いします」
 喉が渇き、気分転換も必要な今には、あのほろ苦くいて爽やかなあの味は最適だろう。有意義な飲み物にありつけるものである。
 だが、そこで彼女は一時的に『待った』を掛けるのだった。
「あ、待って下さい八意先生」
「どうしたの?」
 突然の一時停止に、永琳は首を傾げてしまう。
「烏龍茶に睡眠薬とか入っていませんよね」
「ええ、大丈夫よ。うどんげ以外には入れないから」
「それなら良……くありませんって!」
 適格に突っ込みを入れる勇美であった。鈴仙の苦悩がいかほどのものなのかと頭に浮かべながら。
 
◇ ◇ ◇

「あー、美味しい♪」
 冷たい飲み物を欲していた体に、烏龍茶はまさに格別であった。口から体に巡る、ほろ苦くて清涼感のある流れが火照った体を優しくほぐしていくのだった。
 ちなみに、永琳の発言通り、睡眠薬は入っていなかったようだ。寧ろ入っていようものなら一大事である。
「うん、やっぱりえーりんの作る烏龍茶は格別だよねぇ〜」
 そして、この場には勇美と永琳以外の者も存在していたのだ。
 因幡てゐ。永遠亭の兎達を取り仕切るリーダーにして、悪戯の大好きな困ったさんな白兎であった。
 そんなてゐが、ふと勇美に声を掛ける。
「ところで勇美、聞いてるよ。最近のあんたの活躍、目覚ましいんだってね〜」
「はえっ……?」
 勇美は驚いて烏龍茶を吹きそうになる。まさ
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