第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第58話 秘策:後編
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宣告され、メディスンは体の力が抜けていき地に足が付かない感覚に陥らされる。
「それじゃあ、どうするのよ……」
「あの技が撃てなくても、他の攻撃をしてみるわ」
そう言って勇美は微笑みながら言うのだった、「私の負けたくないって気持ちには自信があるからね」と。
「勇美……」
そんな勇美の意地らしくも勇ましい態度に、メディスンはただただ感心するのだった。
その最中、依姫は思っていた。──勇美、貴方はやれる所までやりなさい、と。
実を言えば依姫に掛かればこの事態の収拾は容易なのだ。だが、勇美の成長の事を考えればギリギリまで手を出さない事に意味があると彼女は考えるのであった。
(でも……)
それも、今の様子では限界であろう。そう思い、依姫は行動に移ろうかと思っていたのである。
だが、事態は思わぬ方向に動く事になる。
「見事じゃ、お主の奮闘っぷり。しかと見させて貰ったぞ」
その声を聞いて勇美は、はっとなった。他でもない、この声は。
「跳流さん、正気を取り戻したんですね」
「ああ、お主の一生懸命さがわしの意識を目覚めさせてくれたようじゃの♪」
その声は跳流が変化したバッタの群れ全てから聞こえてくるのだから、彼女の表情は読み知れない。
しかし、もし彼女が人間の姿であれば、実に爽やかな笑顔を称えていた事であろう。
そして、彼女は言葉を続ける。
「すまなかったのう、わしの暴走でお主には迷惑をかけた。
そして、こうして自我を保っていられるのも時間の問題じゃ。
じゃから、この事態はわし自信の手でけじめをつけようと思うのじゃ。
そこでじゃ、そなたに手を貸して欲しい訳じゃが、協力してくれるかの?」
「協力……ですか?」
勇美は跳流の意図が分からずに首を傾げるが、すぐに決心し。
「ええ、私に出来る事なら何でもしますよ♪」
そう爽やかな表情を称えながら言ってのけたのであった。
「そう言って貰えると、こちらとしても嬉しいのう。
まずは、わしが──」
勇美の快い返事を受けた跳流は、自分が考えた作戦の内容を読み上げていった。
そして、それを実行に移す時が来たのだ。
「プレアデスガン!」
勇美はその手に、使い慣れた星の銃が握られたのだ。
だが、今のこの状況を打破するには些か力不足である代物である。これで勇美はどうしようというのだろうか。
勇美がそうしている内に、跳流を構成しているバッタの一匹がエネルギーを溜め始めたのだ。そしてエネルギーを溜める個体はまた一匹、更に一匹と、どんどん数を増やしていったのだった。
跳流が再び自我を失って暴走を始めたのだろうか? だが、勇美の表情は至って落ち着いたものであった。
「跳流さん、あなたの心意気に感謝します」
そう言って勇美は手に持った星の銃を、そ
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