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MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第57話 秘策:中編
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方で勇美は得意気に新たな技の名前を呼称した。
「ほう、楽しみじゃのう♪」
 対する跳流もどこかワクワクした様子で向かい合った。
「跳流さん、行きますよ!」
「おう、受けて立つとするかのう」
 勇美と跳流は互いに意気揚々と向かい合うのであった。
 そして、まず動きがあったのは勇美の方であった。
 一体目の飛行機体が素早く動き出し、そして瞬時に小型のビームを放った。
 それを跳流は迎え打った。
「その程度」
 言って跳流は緑色の小さな弾丸を吐き出した。
 そして、それら二つは空中でぶつかり合い、爆ぜて相殺されたのであった。
 勿論、互いにそれで終わりはしない。
「まだまだ、次がありますよ!」
 勇美は二体目の機体を作動させたのだ。それでなくては三体出した意味はないのだから。
 二体目の機体が跳流達の内のもう一体に狙いを定めて飛び出した。
「こっちにも来るか」
 二体目の跳流はやや愚痴るかのように呟いた。
「だが、同じ攻撃では通用せんぞ」
 しかし、そう言って余裕を見せた。
 その様子を見て勇美は口角を上げた。
「誰も同じにするとは言ってませんよ♪」
 そう言い切ると勇美はその二体目の機体に念で指令を送った。
「何をしようと!」
 対する二体目の跳流はフンと鼻を鳴らすと、彼女も迎撃すべく速攻で出せる小型のエネルギー弾を発射したのだ。
 それを見て勇美は「してやったり!」と心の中で活きづいた。
 そして、決定打となる指令を機体に送る。
「お召し上がり下さいっ♪」
 言って勇美が機体から発射したのは、小型のビームではなく円筒型の実弾──ミサイルであった。
「何じゃと!?」
 それには跳流は驚くのであった。三体の分身を操る事にかまけて、そんな器用な芸当は出来ないだろうと高を括っていたのだった。
 そして、駆け引きに負けた跳流に審判を下す為に、ミサイルは跳流のエネルギー弾を弾き飛ばして跳流本体に差し迫ったのだ。
 ミサイルは見事に跳流を捉えると、小規模ながらも盛代に爆発を起こした。
「くうっ……」
 爆発を綺麗に浴び、その一体は体を焦がし、ダメージによりよろめいてしまっていた。
 それを見ていた三体目の跳流はすかさず提案した。
「同志よ、ここは再び合体すべきじゃ」
 それに続いて最初の一体目も同意する。
「それがいい、あの者の今の戦い方に、三体に分かれて戦うのは些か不利というものじゃよ」
 二体にそう言われて、攻撃を受けた跳流も頷いて見せた。
「そのようじゃな。では元に戻るとするかのぅ……」
 三体の妖怪バッタはそう言い合うと、素早く飛び交いながら三体とも一点を目指して集束していったのだった。
 そして、三体が集まると目映い緑色の光が放たれる。
 それが収まるとその場所には、勇美のような
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