第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第56話 秘策:前編
[6/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
黄緑色の煙に包まれたのであった。
「!?」
勇美は何事かと目を見開いて見せると、そこには青い光線に貫かれた跳流の姿などはなかったのだった。
そして、代わりに存在していたものを確認した勇美は更に驚愕する事となった。
「バッタさんが……三匹……?」
一見勇美が言い出した事は、支離滅裂に聞こえるかも知れない。だが、それ以外に今の状況を説明する術は存在してはいなかったのだった。
確かに勇美の言う者達が存在していたのだ。
そこには紛れもなく三体の小学生位のサイズのバッタが羽音を立てて宙を舞っていたのであった。
「これは一体どういう事ですか?」
堪らずに勇美は彼女……いや、『彼女等』に聞く。
「知っての通り、わしは妖怪バッタの集合体じゃからのう。お主の攻撃が当たる前に『一体』から『三体』に体を分離させてかわしたという訳じゃ」
「へええ……」
勇美はその答えを呆気に取られながら聞いていた。
如何わしい大人向けの本かと思ったら変態格闘技の指南書だったように方向性が違いすぎるながらも、これはこれでロマンを掻き立てる技であったのだった。
「すごいですね、憧れちゃいます♪」
「いや、これは人間には使えん技だから諦めるのじゃ……」
突拍子もない事をのたまう勇美に、今度は跳流が呆気に取られる番であった。
だが、ここで彼女『達』は気を取り直す事にする。
「ちなみに、この技は防御だけのものとは思ってはおらんかの?」
「そういう事じゃ♪」
そう口々に跳流達は言い始める。
「……」
それを聞いて、勇美はやはりそう来るのかと思うのだった。
体を三つに分けるという人間には不可能な芸当。それを守りだけに使うなどという宝の持ち腐れのような事は跳流程の者は決してしないだろう。
「では行くとするか」
「いざっ」
跳流達は言い合うと、その場からそれぞれの方向に展開しながら飛び出していった。
そして、上空で三方向に繰り出しながら勇美を見据える形となっていた。
そして、その中の一体が言葉を発する。
「これから何をするかわかるかの?」
「3Pで私に乱暴する気でしょ!?」
「いい加減そういう発想から離れんか」
そしてこの小説はエロ同人になる訳か、冗談じゃないと跳流は思うのだった。
「まあいいわ。行くぞみんな!」
「よしきたぞい!」
跳流達はそのような言葉を交わし合うと、その内の一体の口元にエネルギーが集まっていったのだ。それは目映いエメラルドグリーンの光の粒子であった。
それが一頻り集まると、そのエネルギーの塊は勇美目掛けて発射されたのだった。
「危ないっ!」
勇美は思わず叫びながら、その緑のエネルギー弾をひらりと回避した。
そして、弾は地面に着弾すると草を蹴散らして穴を開けたのだ。
「ふう、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ