第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第56話 秘策:前編
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使い、勇美はレーザー機銃を使ってそこから高出力の青く光る光線を放出したのだった。
このスペルは前回は巨大な機械要塞を形成した時に放ったものである。だが、今回のように勇美自身が銃を携えて放つ事も出来るのであった。
そのように、スペルカードに応用が効くのが、勇美が神の力を借りて自身の機械の分身を操る上での強みなのである。
そして、銃口から放たれた光線は跳流へとグングン距離を詰めていったのだった。
このままいけば跳流を貫くには十分な出力であろう。
だが、跳流は至って冷静であった。
(ほう……)
そして、同時に感心していたのである。
それは今の勇美に迷いが見られなかった事である。
勿論跳流は勇美の周りの先日の出来事や勇美自身の心境を知るよしはないのだ。
だが、ひた向きになって物事に打ち込む、その姿勢に跳流は心打たれるのであった。
だから、跳流自身もその心意気に応えなければ、そう思い彼女は今使うべきスペルを選ぶのであった。
「さすがじゃ。狙いも威力も申し分ない攻撃じゃ。だからわしも人肌脱ぐとしようかの?」
「えっ? 脱ぐ?」
その跳流の言葉に、勇美は餌を前におあずけの命を受けていた忠犬の如く食らい付いた。
それは勇美が真っ当な和服の者に飢えていたのが原因であった。巫女のような役職に就く早苗ですら『和服のような何か』と言うべき出で立ちだったのだから仕方がない。
更にまずい条件に、跳流の着物は短いスカート丈になっているという事であった。これにより勇美の欲情は尚駆り立てられていたのだった。
勿論勇美自身もそのようなミニ丈の和服に身を包んでいる訳だが……。
この場合、言ってみれば『蛇は自分の毒では死なない』という感じのものだろう。
もしくは、荒木飛呂彦先生の発言の『作者は自分の作品を【読む】事は出来ない』が正にそれを示しているだろうか。
つまり、勇美は自分自身では味わえない甘美な感覚を、跳流を用いて堪能しようとしていたのだった。
その事にある程度共感する情けが、皇跳流にも存在したのだ。
そんな事を思う跳流の前に、刻一刻と高出力のレーザーは差し迫っていた。
「さて、やるか♪」
そう言った跳流に、勇美は物凄い勢いで食らい付いた。
「やってくれるんですね、着物脱ぎ脱ぎ♪ うわあい、男のロマンですぅ♪」
そんな事を平気でのたまう勇美は、最早狂犬の域であった。
「落ち着け、そなたは女の子であろう」
そのような勇美に、さすがの跳流と言えどたじたじになってしまう。
ともあれ、いつまでもそのような茶番をやっている訳にはいかない。ここで跳流は遂に新たなスペルカードを発動させる。
「【離符「オープングラスホップ」】!」
その宣言の後であった。突如として跳流はポンッというコミカルな音と共に
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