第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第55話 憩いの時
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「勇美、明日跳流って奴とリベンジ戦するんでしょ。
だから私もその場に付き添おうと思ったの。
という訳で明日の為に今晩は永遠亭に泊まるわ」
「永琳の許可は取っているわ」とメディスンは付け加えて締め括った。
「メディスンちゃん……」
そんな律儀なメディスンに対して、勇美はこそばゆい心持ちとなるのだった。
だが、当然疑問も出て来る訳である。それを勇美は言葉に表す。
「どうして私の為にそこまでしてくれるの?」
その疑問に対して、メディスンはさも当然といったような振る舞いで答える。
「それはね、あの時も言ったと思うけど、勇美のお陰で気付かされた事があったから、そのお返しという訳よ」
そしてメディスンは付け加える。「だからその事を気付かせてくれた勇美の戦いは見届けなきゃいけないと思ったのよ」と。
そんなメディスンの意気込みを聞いて、勇美は腹が決まったようだ。
「メディスンちゃん、ありがとう。あなたの為にも次はきっと勝つからね!」
そう宣言する勇美の表情は、迷いなどというものとは全くの無縁であった。
そして、勇美は付け加えた。──今の私には『秘密兵器』があるしね……と。
その勇美の様子を見ていた依姫は言う。
「勇美、また一回り大きくなったわね」
そう言う依姫の表情は、あらゆるものを包み込むかのような慈悲に満ちているかのようだった。
「え? 大きくなんてなってませんよ?
私ってば胸も小さいままだし、背も14歳にしては小さいちんちくりんだし……」
「……」
依姫はお約束の展開を恨んだ。何故こういう状況だと決まって体格の話になってしまうのだろうと憎らしい心持ちとなるのだった。
ともあれ、勇美の成長は能力的にも精神的にも目を見張るものがある事を依姫はよく理解していた。
これは明日の決戦がさぞかし見物になるだろうと、依姫はメディスン共々想いを馳せるのだった。
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