第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第55話 憩いの時
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
れもその筈である。彼女とこの永遠亭の主たる蓬莱山輝夜は犬猿の仲なのだから。
だが、妹紅はその疑問に対してあっけらかんと答えた。
「なに、他でもない勇美の為だ、そんな事は些細な事さ」
「妹紅さん……」
その言葉を聞いて、勇美は胸の内が暖かくなる心持ちとなるのだった。
それに続いてレミリア、魔理沙、妖夢といった面子がやって来た。そして鈴仙は永遠亭に住まう者である。
そこで勇美はふと気付き呟く。
「この組み合わせは……」
そう、他でもない、当の気付いた勇美にこそ関係のある事であったのだ。
そして、その答えを勇美は口にする。
「私が今まで弾幕ごっこをした人達ですね」
それこそが正解であったようだ。厳密には勇美が最終的に一人で戦う事になった人達であるが。
答えを言い当てた勇美に、メディスンはニコっと笑って言う。
「正解だよ勇美、今集まったのは勇美が戦った人達だよ」
「メディスンちゃん、これってどういう?」
この取り合わせで皆が会いに来た事、それにどんな意味があるのだろうと勇美は首を傾げるのだった。
「分からないかい?」
そこに助け船を出すのは第二の客人の妹紅であった。彼女は竹を割ったような快活な笑顔を勇美に向けながら話している。
「妹紅さん……?」
だが、尚も答えの見えない勇美は妹紅に問い掛ける形となる。
「仕方ないな。それじゃあ教えてやるか」
そう言って妹紅は人差し指を立てて、得意気に振る舞って見せる。
「勇美、みんなお前に注目しているって事さ!」
そして妹紅はその答えを言ってのけたのだった。
「注目ですか……?」
意図の読めないキーワードに、キョトンと首を傾げてしまう勇美。
やはりそういった勇美の仕草は小動物っぽい訳で。そんな彼女に対して猛禽類の如く眼光を剥く者がこの場にはいた。
勇美は失念していたのだ。かつて勇美が一人で戦った者達が集うとなれば、自然と『あの者』も現れるという事を。
そして、その獰猛な狩人は勇美を見据えるや否や、声を荒げながら現れたのだ。
「いさみちゃあああ〜ん♪」
いきりたちながら現れたのは、守矢の風祝東風谷早苗その人であった。
「はうあ!」
勇美は変な台詞と共に、一気に血の気が引くような感覚に襲われてしまった。
──ぶっちゃけ、この人だけには会いたくなかったのである。
「勇美ちゃん、会いたかったよぉぉぉ〜」
そう言って早苗は勇美を盛大に抱擁してしまったのだ。その勇美には無い、肉鞠のボリュームに彼女は困惑と悦びと妬みが入り混じった複雑な念を抱くのであった。
「勇美ちゃん、とても悔しかったでしょう〜。だから私がお婿さんになってあげるからね〜」
「ええっ!?」
どちらが嫁でどちらが婿であるかの疑問は前々からあったが、今その疑問が晴
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ