第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第55話 憩いの時
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小生意気そうな少女の声が玄関でしたのだ。
その声の主に、永琳が応対していた。
「こんにちは。あなたはメディスンちゃんね♪」
「メディスンちゃん?」
その名前を聞いて勇美はハッとなった。
メディスン・メランコリー。他でもない、勇美が最初に弾幕ごっこで勝った相手であり、以後友人関係となった仲である。
そういえば最近あってなかったっけ? だから勇美はちゃんと顔出しをすべく玄関へと赴いた。
「メディスンちゃん、お久しぶり〜♪」
そう言って勇美は人形妖怪のメディスンへと手を振り、声を掛けたのだった。
ちなみにこの時勇美はメディスンを抱き締めたい衝動に駆られていたが、さすがに彼女の毒に当てられてしまう事は経験で学習していたので何とか踏み留まったのだ。
それに対して相手からしても久しぶりの顔である勇美に、メディスンは応える。
「勇美、久しぶり♪」
そう言ってメディスンはニカッと笑顔を勇美に向けたのだった。
「メディスンちゃん、元気してた〜?」
勇美は快活にメディスンにそう聞いた。
「ええ、お陰様でね」
それに対してメディスンも爽やかにそう勇美に返したのだ。
メディスンのその言葉に嘘偽りはなかった。あれから彼女はどこか充実した考えの下日々を過ごしていたのだった。
それは、勇美に『復讐』について考えさせられたからである。
自分は人形解放を盾にして彼女自身の復讐を正義で塗り固めて推し進めていたのに対して、勇美は自分自身の為の復讐である事を偽らずに依姫の下で励む事を打ち明けたのだ。
それからというもの、メディスンは復讐について思うようになったのだ。──復讐は恨みを晴らすだけで終わらせてはならない。自分が高みに登れる形でなくては意味がないと。
それからメディスンは人知れず努力した。
そして取り敢えず自分に出来る事を始めたのだ。
例えば自分の扱う弾幕に磨きを掛けるべく奮闘したり、永琳に対して出来る限りの手伝いをしたりと。
自分に出来る事は限られている。だが、その中で何かをしようとメディスンは思うようになったのだった。
だから、メディスンは勇美に感謝しているのだ。
そして、風の噂で勇美が跳流と戦った事を聞き付けたのだ。
その事に関して、うまく勇美に伝えられないとメディスンは思った。
だから彼女はこう勇美に言うのだった。
「今夜は、一緒に楽しもうね」
そのさりげない言葉に、勇美はどこか嬉しくなり、
「うん、そうだね♪」
と返すのであった。
二人がそのようなやり取りをしていると、続いて二人目の来客があった。
「お邪魔するよ、勇美はいるかい?」
その声の主を確認すれば、藤原妹紅その人だった。
「も、妹紅さん!?」
意外な人物の来訪に、勇美は驚愕してしまった。
そ
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