第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第53話 勇美の妖怪退治
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だと悟り、身を引くのだった。
そして、依姫はこの場に相応しい神に呼び掛ける。
「『風神』よ、我々の行く道を示したまえ! 【導符「我道の走風」】」
依姫が神降ろしによるスペルを宣言すると、空気の流れが変わったのだった。
「この風は犯人の息吹を追って流れているわ。それを追って私達も行きましょう」
「……分かりました」
勇美は話が急展開だと思いつつも、これに従えば問題ないと踏んで同行、そして目的の存在の足跡の追跡を心に決めた。
「という訳で私達は行きます。農夫さん、情報の提供ありがとうこざいました」
「私からも、ありがとうございました〜」
二人で農夫にお礼を言うと、早速両者は風の道標を追うのだった。
◇ ◇ ◇
人里から離れた道中。二人は急ぎ足で犯人を追う中、勇美は依姫に尋ねた。
「やっぱりこれ、リグルさんの仕業でしょうか?」
だが、依姫は首を横に振る。
「いいえ、それは分からないわ」
「でも、相手はバッタっていう虫の群れを操っていましたよね……」
「だからと言って、彼女が犯人だとはまだ決まった訳ではないわ」
取り敢えず、その目で確かめないと始まらない。そう依姫は結論付けて勇美と共に犯人を追うのだった。
◇ ◇ ◇
そして、風の流れを追って走っていた二人が辿り着いたのは、のどかな空気を醸し出す草原であった。
「素敵な所ですね〜」
空からもたらされる陽光、静寂に包まれた周囲をそよそよと吹くそよ風、それによりたなびく草々。
このまま感傷に浸りたい気分の勇美だったが、それは許されない願いであったのだ。
その理由を依姫が指摘を始めた。
「勇美……」
「ええ、分かっています」
そういう勇美も気付いていたのだった。
──草原のど真ん中に、求めていた何者かが佇んでいた事に。
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