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MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第53話 勇美の妖怪退治
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るのは茶髪の女性であった。
「何でも最近、人里の畑が荒らされているって話よ」
「動物か何かかしら?」
 茶髪の女性は首を傾げながら言った。
 それに対して黒髪の女性は首を横に振った。
「どうやらそれは違うみたいよ」
「と、言うと?」
 ありきたりな話だろうと踏んでいた茶髪の女性はそれを否定された為に、少し興味深げに相方に聞く。
 それに対して黒髪の女性は、したり顔で対応する。
「どうも、それは妖怪の仕業らしいのよ〜」
「それは、まあ……」
 言われた茶髪の女性は興味半分、怖さ半分の心持ちとなるのだった。
「と、いう訳よ。あなたもくれぐれも気を付ける事ね」
「ええ、ありがとう」
 そう言い合った後、二人は手を付けている途中だったカステラの解体作業に取り掛かるのだった。
「へええ〜」
 その一部始終を見ていた勇美は感嘆のような声を漏らしていた。
「どうしたの勇美?」
 それに気付いた依姫は勇美に問い掛ける。
「うん、あのカステラ美味しそうだな〜って」
 勇美はよだれを垂らしかけながらそうのたまった。
「それなら今度一緒に食べましょう」
「はい、それは楽しみです」
 依姫の提案に勇美は嬉しそうにはにかむのだった。
 その思いを胸に彼女は帰路に……。
「って違う! 私とした事が『隣の花は赤い』の精神に囚われかけましたよ!」
 つかなかったようだ。ノリツッコミの如く振る舞うと勇美は話を仕切り直す。
「何かしら勇美?」
 対する依姫はどういう事かと首を傾げる。──彼女も勇美同様に『天然』な所があるようだ。
 頭は切れるものの、抜けてる所もあるようであった。
 そんな依姫に、勇美ははっきりと言ってのける。
「それは、妖怪の事ですよ、妖怪の事!」
「貴方、まさかその妖怪を退治する気なの?」
 そう依姫は驚きながら勇美の意図を指摘して見せた。依姫は抜けている所があっても、基本的には鋭いのだ。
「そう、その通り! 中々理解が早い! でもチェーンソーでバラバラにされるのは嫌ですね!」
「いや、落ち着きなさい。捲し立てすぎよ」
 そう依姫は勇美に冷静さを取り戻させるべく宥めた。何せ支離滅裂だからだ、特に三番目。
「フゥーフゥー、クワッ! はい深呼吸して落ち着きました」
「怪しいって」
 依姫はそんな勇美に疑心暗鬼であった。さながらこのまま飲み物だか薬物だか分からない異物を摂取しないかという不安要素しかなかったからだ。
「大丈夫ですって、私は冷静だ!」
「うわあ、また……」
 それ実は冷静な時に言われた台詞じゃないしと依姫は思った。第一私は後に勇美を謀殺するのかと。
「うん、ごめん。今度こそ大丈夫です」
「……本当のようね」
 今度は勇美は悪ノリしていないと踏んだ依姫は、真っ直ぐに彼女を見据える
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