第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第52話 おもてなしSCARLETS
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だった。
だから、ステーキのようなガッツリした料理は勇美にとって有難い一品だったのだ、
もしかしたら、レミリアがその事に気を利かせてくれたのかも知れない。さりげない気遣いが出来る彼女であるが故に。
しかし、当然その事をレミリアに聞いてもはぐらかされるのがオチであろう。
だから勇美は心の中でレミリアに感謝するのだった。
そんな中、咲夜が突然このような事を切り出し始めた。
「依姫さん、突然このような事を言うのはどうかとは思うのですけど」
「何かしら?」
「私にも勇美さんのように稽古をつけてくれませんか?」
「これまた意外ね……」
依姫は予想しなかった咲夜の言葉に驚くのだった。
だが、何故かを聞く前にそれを承諾する。相手の事情に深く立ち入るのは野暮だからだ。
「分かったわ。貴方が望むのなら口出ししないわ」
「ありがとう」
お礼を言った後、咲夜はその理由を話す事にした。いくら相手が強要しないとはいえ、知りたがらない筈はないからであり、それが礼儀だと咲夜は思ったからだ。
「私は前回の妹様の一件で、自分の実力不足を実感しましたわ。だから、私はもっと強くならないといけないと思ったのです」
「それは感心ね。でも、その考えに至るまでには相当迷った事でしょう」
以前敵として戦い、その後もライバル関係にある者に対して師事をする。それは自尊心という概念が妨害をしてくる事柄である。
それを振り切った事を選んだ理由を咲夜は語る。
「お嬢様も家族を守る為にはある程度プライドをお捨てになる事を選びましたわ。だから私もそれを見習わなければなりません」
重荷は主たるレミリアにばかり負わせる訳にはいかない。それが咲夜の考えという事だ。
その考えを受け止め、依姫は口を開いた。
「いいわ、貴方の心意気、大切にさせてもらうわ」
「ありがとうございます」
そして咲夜は、依姫に頭を下げて感謝の言葉を口にするのだった。
◇ ◇ ◇
そして、咲夜の師事という眉唾な話がありつつも、無事にパーティーは幕を閉じる事が出来たのであった。
ここでお開き、そう思われていた所にある者が三人の前に駆け付けて来たのだ。
「よりひめ〜、パーティー楽しかった〜?」
「あらフラン。ええ、とても楽しめたわ」
依姫が答える相手、それはフランドールであった。
あの一件の後、三人の招待に出席したいという彼女の要望を、紅魔館の住人達は多少のリスクをおかしてでも叶えてあげたいと思い参加させていたのだった。
そして、フランドールは依姫に助けられて以来、彼女になついているのである。
「えへへ〜、それは良かった〜」
屈託のない笑顔ではにかむフランドール。
その様子を勇美は微笑ましく見ていた。──やっぱりフランドールは無邪気で純粋な子な
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