暁 〜小説投稿サイト〜
神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・前半-未来会議編-
第十四章 青の雷竜《1》
[4/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
と共に雲と地の間に、青の柱が走る。
 一つは、セーランの真上。
 もう一つは、実之芽の眼前に落ちセーランに迫るように。
 最後の一つは、時間差でセーランに落とす。
 この予定だ。
 そしてまず、一本目と二本目が予定通り落ちる。
「光速並みかと思ったら案外遅いのな」
 そう言い、セーランは一本目が落ちるであろうこの場所を横にかわす。これは、これから迫る二本目を視線に入れる為だ。
 セーランの横、一本の雷が落ちる。
 硝子を割ったような音が鼓膜を叩き、閃光が放たれた。
「くそ、二本目のための目眩ましか」
「雷よ、走りなさい!」
 実之芽は叫び、閃光を割り二本目の雷が来た。
 速度は人が走っている程度のものだが、
「て言うか、どんだけ使用時間あんだよ」
 かわすのは容易い。だが、神の力を伝播しそれを長時間使用するのは、それなりの技量がいる。
 それもそうだ。この世界が束になっても、比べ物にならない程の流魔を宿している神の力は、本来ならば人には扱えないのだ。
 だが、セーランの眼前に立つ実之芽は使用時間が長い。
 とうに五分は経っているだろう。しかし彼女は、顔色一つ変えず立ち続けている。
 迫る雷を避けながら、セーランは声を聞いた。
「驚くことも無理はないわね。普通なら神化系術の使用時間は五分程度、長くても八分ぐらいでしょうから」
「神に近い神人族や、元々身体が丈夫に出来てる魔人族、系統によっては破族が神化系術の使用時間が長いって聞いたことあるけど、お前は人族だろ。神との契約で直接加護受けてるならまだしも、見た感じそれは無いっぽいし」
「これが辰ノ大花の力よ」
「使用時間どんくらいなんだよ?」
「教えられることじゃないわね、でも――」
 ここで虚勢でもいい、異常な強さというものを見せつけらるなら、これは絶好のチャンス。
 仕方無いわね、と思い口を開き、
「使用時間の最長は一時間程度、短くても十分ぐらいね」
 それを聞いて、周囲はざわめいた。
 野次馬達は、おお、なに? などの疑念を抱くような声や、それを関心するような声が漏れる。
 離れた場所にいる黄森の隊員達も、同じような声を漏らしている。
「冗談、なわけないか。参ったなあ、五分は経ってるから最低後五分頑張るのかよ、体もたないぞ」
 自分の前に来た雷を避け、回避を続けた。
「これ以上の流魔操作は危険だからなあ、どうしたもんかな」
「ぼやく暇があるなんて、随分と余裕ね」
 雷を避けたセーランの足が地に着くよりも早く、空から三本目の雷が来た。
 真上。それにセーランは気づくが、回避が出来ない。
 地面を蹴り飛ばすための足が、まだ濡れたコンクリートの地面に着いていないからだ。
  直後。セーランは、雨と共に雷に打たれた。
 二つの雷は、一つの人
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ