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神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・前半-未来会議編-
第十四章 青の雷竜《1》
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「そうよ。そして私に力を伝播している神は、雷神と称される御雷神《タケミカヅチ》。名の通りの雷の神よ」
「他にも刀剣の神、矢術の神や武神やら軍神とか、あと相撲の元祖とされる神だったな。鹿島神宮経由の伝播だな?」
「ええ、そうよ。崩壊世界では主神として祀っていたのよね。それゆえに、その名を頂戴し今や辰ノ大花を代表する神社よ」
 雨のなか、二人は言葉を交わした。
 顔に滴る雨か、汗かをセーランは拭う。
 正面には足を揃えた、宇天の隊長が立つ。
 雨風が二人の間を吹き、吹き止まぬ前に二人は激突した。



 青の戦闘艦。辰ノ大花のドレイク級戦闘艦・華空の甲板上、そこに一人の伊達眼鏡を掛けた少年がいる。
 激突を繰り返す、自身らの隊長と日来の長を見ている。
「神化系術“御雷神《タケミカヅチ》”を使いましたか、電気ピカピカ恐ろしの光ですね!」
「一人で観戦とはなかなか寂しいで御座るな」
「御茶丸君は一人でもハイテンションなので平気だと思いますよ」
 甲板と艦内を繋ぐ出入口から、二人の者が出てきた。
 一人は忍者の介蔵、もう一人は幼馴染みである明子だ。
 加護を展開し、雨で濡れる甲板を歩きこちらに近づく。
「おやおやこれは介君、明君ではありませんか。ついでに久しぶりの登場ですね明子君」
「呼び名がいちいち変わることは突っ込まないで御座るよお」
「久し振りなんて酷い! 昨日の夜いたよね、告白のときに、……ね!?」
「分かってるで御座るから、顔、顔近い、近いで御座る!」
「ああ、ごめんなさい」
 謝る明子に困る介蔵の方を見て、ため息に似たものを吐いた。
 激突する音を聞きながら、仲間の様子を見た。
「二人は元気ですねえ、今実之芽君が日来長と勝負してるというのに」
「大丈夫ですよ、実之芽さんは負けません。奏鳴ちゃんの為ならなおさらです」
「これに勝てば少しは黄森も話し合ってくれる筈で御座るからなあ」
「日来の長を倒したときの利点を最大限利用するので、倒されてもらいたいのころですが」
 顎に手をやる御茶丸は、技を繰り出し、ぶつかり合う日来長の方を向いた。
 実之芽は雷撃を縦横無尽に操り、濡れたコンクリートの上を踊る。
 風をまとい、雨を切り、目の前の敵と衝突を繰り返す。
 それが続くにつれ、激しさが増す。
 水が跳ね、宙に散る。
 地面が蹴られ、身が跳ねる。
 体を動かし、風を生む。
 打撃、雷撃、衝突、加速。様々な動き、音が重なる。
 それが停泊場を駆け巡り、後には戦いの傷跡を残していく。
「そう言えばこちらの長の様子はどうでしたか?」
「何も異常はなく、竜神の力がここ一番安定してますね。久し振りの外出だからでしょう」
「黄森との極秘会議は委伊達家の屋敷で行いましたからね」
「奏鳴殿は今、艦内
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