第一物語・前半-未来会議編-
第十四章 青の雷竜《1》
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日来の空は今、青くなっている。
晴れたわけではない、雲の中で轟く雷により青く染まっているのだ。
雷鳴が響き、日来の地に青の雷が落ちた。
一つ。それはコンクリートの地を削り、荒く掘ったような三メートル程の穴が空いた。
その穴から離れるように避ける、一つの人影がある。
日来の長、セーランだ。
雷撃が落ちる前に、これを予測し回避していたのだ。
二人を繋ぐ青の糸は切れ、空からは青の雷をまとう実之芽が激突するように着地する。
雷鳴と、爆音と共に舞い降りた。
「逆鱗の神雷、ってのはこれのことか」
「触れてはならぬもの、それが逆鱗よ」
「竜の逆鱗触れし者、竜牙で喉を断たれん。とか言われてるからな、俺はその逆鱗に触れたわけだ」
「だから貴方は負けるわ」
「逆鱗。即ち宇天の長だろうが、だったら怒れる竜を抑えれば俺の勝ちてっこった」
「受け止めきれるかしら、――この雷撃を!!」
実之芽は地を踏み、雷と共に穴から飛び。
そして、行く。
炎のようになびく雷は彼女に加速を与え、人ならぬ力を与える。
セーランは見た。
たった一回踏み込んだだけで、十二分に離れは距離を詰められ、眼前。そこには脚がある。
左頬を狙う、右の脚。
頬に強烈な一撃を送り込むことで、その受けた衝撃により首を壊そうというのだ。
それを防ぐため、セーランは今度は前ではなく後ろへ下がる。
前に踏み込めば打点からは離れることは出来るが、それは身体を相手に差し上げるような形となる。そうすれば相手はこちらを抱くようにホールドし、まとう電撃を食らわせるだろう。
下がれば打撃を受けなくてすみ、反撃の余地を残すことが出来る。
だから、後ろへ下がる。
仰け反るような形で、後ろへと身を倒すしながら離れる。
直後。電気が流れるような音が耳をくすぐり、雨を切り裂いた。
だが攻撃は止まない。
放った右脚を軸に身を返し、今度は左足の突の攻撃。
しかし、長さが足りない。だが、
「雷線!」
その声と共に、前に上げた脚に雷がまとい。
放つ。
足平からまとった雷が、一直線に後ろへ下がったセーランを撃つ。
「流魔線たった一本で防げないと思うけど」
「防げないなら避けるだけ」
そう言いセーランは、左の手から流魔線を出し、近くの地面に繋げる。
そして繋がった線を縮め、こちらを穿とうとしたレーザーとなっている雷を避ける。
虚空を穿ったレーザーは、ある一定の距離に達すると消滅し収縮する。
地面は熱線を受けたように、熱を持ち赤く線となっている。
「食らってたらマジ火傷以上に穴空くな」
「電気は熱を持つ、レーザー状に雷を放つことで熱線とする」
「神化系術は神との契約とは違って、神の力を神社経由で伝播する系術だったな」
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