14ー涙
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コンに対して僕は言葉を繋げる。
「もし、生まれ変わってまたあったら…恋人になろう?」
そうやって僕は最後にコンコンに静かに唇を合わせる。するとコンコンは驚いた顔をする。
「…詩乃には秘密ね♪」
「化けて出ようかな?『ユキに最期にキスされました』って…。」
僕は肩をすくめて、笑い飛ばす。
「それは怖いですな♪」
コンコンはそれを聞いてニコッとまた笑うと目を閉じる。
「眠くなってきたな…。
おやすみユキ。また会おうね。」
「そうだね。また会おう?コンコン…。
…おやすみ。」
そうして『絶剣』と呼ばれ、ALOの世界を駆け巡ったユウキは僕達とは違う世界へと旅に出た。
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そうして紺野木綿季の葬式が行われ、ALO関係者がたくさん集まるというコンコンらしい騒がしい最後になったのだが。
式が終わると担当医だった倉橋先生が僕に手紙を渡してきた。
「…これは?」
「メディキュボイドに入る前に書いて、木綿季君が言っていたんだ。『もし、僕がいなくなったら渡して下さい』っと。
…そして一人で読んで下さいらしいです。」
僕はその手紙を受け取り、今日は内科が休診だという事でバイクで飛ばして雪宮病院の待合室に着くと静かに手紙を開く。
拝啓、ユキ様。
…と硬く書いてみましたが中々僕らしくないので普通に書くね?「最初から書けやーい!」
えっとこれを読んでいるという事は僕はこの世界にはいないだろうね。そして一人寂しく泣いているユキが思い浮かびます。「な、泣いてないし…。目から汗だし。」
さて、これを残したという事はユキに伝えたい事があるんだ。
ユキ、僕はユキの事が大好きです。「…。」
でも、もし僕に再開している時に君に大切な人がもういるかもしれない。その時はおとなしく身を引こう!
だけどユキに再会したら聞きます!『僕の事が好き?』って。その時にいい返事を期待するよ?
まあ、おそらくこれを読んでる頃はその答えが返っていると思うけど。
まあ、いい返事を期待してます!大事な事なので2回言いました!
…また会おうね。ユキ。
親愛なる君の理解者。コンコンより。
「…。」
その手紙の上に僕の涙が落ちる。
「…そっか。この手紙を書いていたという事は…。」
僕に彼女がいる。って言った時にはもう決意していたんだな。
僕は堪えきれなくなって嗚咽が滲み出す。
「本当に…最後まで…読めなかったよ。流石コンコン。」
まあね?
そんなコンコンの愉快そうな声が聞こえた気がした。
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