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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
これからあたしは、動いていく
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てそれはあまりにショッキングなものだったんだろう。
両手で口を隠し、出そうになる悲鳴を抑えていた。
「ん…はぁっ?」
「あ、あおい…さまっ…い、今は…ぁあ?」
見せつけるように、堂々と。
これがあたし自身だと母親に示す。
熱い口付けを交わす…というよりかは香子の唇を無理矢理奪う。
身体を愛撫し、スカートを捲りあげ太腿を撫でているだけなのに香子は甘い声を漏らした。
「葵…やめて…やめてぇ!!!!」
同性愛、
それが母親にどう見えているか。
この悲鳴に近い言葉で分かる。
「おかしいわ!おかしいわよ…!そんなの葵じゃない!!いつもの葵に戻って!!」
「…っ。残念だけど、これが”あたし”だよ。」
今まで隠してきたあたし自身。
さらけ出せなかったあたしの本能。
けど、今なら出せる。見せつけられる。
「病気よ!女性同士なんてそんなの有り得ない!!」
「…じゃあ帰れよ。」
「!!」
病気呼ばわりするのなら、帰って欲しい。
香子を悪魔と思うなら二度と来ないで欲しい。
「昔からああしろこうしろあたしを決めつけやがって!!もうこれからは自分自身で生きてくんだ!お前の指図なんかいらない!!消えろ!!」
「…!!」
この言葉が、トドメとなったのだろう。
母親はついに、何も言わなくなり糸の切れた人形のように俯いた。
「し、支部長!!」
「このままでは悪魔の下僕に殺される…!一旦撤退だ!!」
教徒達に支えられ、母親は引きずられるように退却。
まぁ、わざわざ殺すつもりは無かったけど。
「一昨日来いっての、バーカ。」
情けなく去っていく彼らの背中に中指を立てて見送る。
キツめにはやったんだ。これでもう来なければいいけど…。
「それでは皆さんお疲れ様でした。」
「…。」
香子は一仕事終えた式神ゴーレム達に労いの言葉をかける。
とはいっても自我はないので無表情だし何も言葉は返さないが。
「…。」
「え、なに…?」
こちらをじっと見つめる式神ゴーレム。
自我はない。と宮本から説明してもらったがたまにこの式神ゴーレム、あたかも自我があるような振る舞いを時折見せることがある。
「葵様、どうされました?」
「ううん、なんでもない。」
気のせいかもしれない。
そういうことは頭の隅にでも置いておくとしよう。
さて、
結界やメイド達の戦闘能力など、こういった対策は実は元からあったものではない。
実はある日を境に実装したものなのだ。
そのある日とは、時を数十日ほど遡る…。
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