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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
これからあたしは、動いていく
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「…はい?」

嫉妬から来るんだろう。
つい、香子には意地悪をしたくなる。

「シェヘラザードさんと話を作るのは。」
「まぁその…はい。」

恐る恐る頷く香子。
彼女自身も知ってるんだ。このあとあたしがどうするのか、自分が何をされるのか。

「あたしとセックスするより?」
「…っ!そ、それはそれで別の…!」

戸惑う香子。
椅子から立ち上がり、香子の腕を掴むと壁際まで追い込む。

「…っ。」
「ごめんね。香子が他の女と仲良くしてると…ついシたくなる…。」

逃げ場はない。
そもそも、逃げようともしない。

「ねぇ、好き?」

耳元で囁くと、もどかしいのかくすぐったいのだろうか彼女は身をよじらせる。

「な、なにが…っ。」
「あたしとこうするの。何よりも好き?」

吐息が聞こえる。
興奮して、僅かに激しくなった呼吸が。

「好き…です。」
「そっか。じゃあ今日もいっぱい付けてあげる。」

首筋に貼られている絆創膏を指でなぞり、剥がしていく。
そこにあるのは勿論キスマーク。
そこだけじゃない。
スカートをまくれば太腿にも、いくつものあたしのモノだという証拠が。
胸元、背中、お腹にお尻も、
付けられるところは全部つけた。
どこからどう見ても、紫式部というサーヴァントはあたしのモノだと証明するために。

「綺麗だよ香子…。」
「…っ。」

このまま図書館という空間で愛し合うのもいいかもしれないが自室へ向かわせてもらう。
掃除と夕飯は…後にしよう。
今はこれが最優先なんだ。

?

それから別の日。
葵紫図書館が出来て数週間が経った頃、起きることはやはりいい事ばかりではない。

「図書館をのっとって何をするつもりだー!出ていけー!」
「私達の本を返せー!!」

「…チッ」

朝っぱらから拡声器を使ってうるさく騒いでいるのは誰だろう…いや、見当はつく。
最悪の目覚めと共に朝を迎え、渋々服を着る。
図書館の扉をさっきからずっとドンドンドンドン喧しく叩いてる奴ら。
うん、そうだ。

「…どなたです?」
「葵!?やっぱり葵だったのね!!」

人間同盟のおでましだ。
しかも支部長…もといあたしの母親も。

「なに?」
「何って…連れ戻しに来たのよ!ほら!」

あたしの手を掴んで引っ張りこもうとする母親。
しかしあたしとの縁は切ったはずなのにどうしてまた来たのか?腐っても母親は母親ということなのだろうか?

「やめろよ!」

あんまりにもうざったいので手をはらう。
すると母親は余程ショックだったのだろう。
顔が引き攣り、次第に泣き出しその場にしゃがみこんでしまった。

「ひどい…そんな…葵…葵いぃぃぃ!!!」
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