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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
これからあたしは、動いていく
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か…。
ちなみに他にもキスマークはたくさんつけた。
露出のほとんどない彼女のドレス、そこに隠された素肌には、あたしのものだという証が至る所につけられていたりする。

「それではお二人さん。良い営みを。」

それだけいい、こんちゃんは去っていく。
お茶くらい出したかったがいいものを見させてもらいましたといい断られてしまった。

?

図書館が完成し、なんだかんだで利用客も来るようになった。

「こんにちは…。」

やってきたのは香子に負けないほど豊満な身体を持つ褐色肌の女性。
彼女は人間ではなく、サーヴァントのお客様だ。

「こんにちはシェヘラザードさん。今日はどんな話をお探しで?」

シェヘラザード
三笠にある孤児院で働いているサーヴァント。
その役目はやはりというか子供達のために童話などの読み聞かせをしたりすることだ。
彼女が作ってきた物語はたくさんあるが、やはり限度がある。
そのためこうして図書館を訪れ、童話や昔話などの本を読み参考にしているとのこと。

「まぁ。シェヘラザード様、よくおいでくださいました…!」
「ええ。ここのところは死ぬ危険性もなく、平和な日常を過ごしておりまして。」

足げく通うシェヘラザード。
当然香子とは仲がよく、会うたびこうして笑顔で話し合っている。

「それではこのようにするのはどうでしょう?」
「いいですね…楽しめて教訓にもなると思います。」

時には香子と2人で子供たちに聞かせる話を考えたりするくらいだ。
どういったものがいいか、どうすればわかりやすくなるか、面白くなるか。
そしてそんな楽しさと同時に色々な事も教えていきたい。
悪い人は酷い目にあうとか、いい行いをしてきた人には必ず幸福が訪れるとか、昔話のお約束というか子供の教育にも役立ちそうな御伽噺をこのキャスター2人は色々案を出しながら作っていくのだ。
でも…

「…。」

受付で何もすることがなくボーッとそれを見るあたし。
なんかこう…悪気はないのだろうけどこうして仲良くしてるのを見せつけられると…少しだけ嫉妬してしまう。

「ありがとうございました…紫式部さん…。」
「ええ…良いお話が作れますように。それではまたのお越しを。」

帰っていくシェヘラザードを見送り、香子は本日閉館の立て看板を置く。
結局、2人は時間いっぱいまで話し合っていたのだ。
ちなみにお客さんさんはシェヘラザードさん以外来てない。
まぁ世界がこんなんだし。普通の人が来るわけもないんだけど。

「…葵様。」
「…。」

さて、ドアの鍵はしまり、この広い図書館には今あたしと香子だけとなる。
強いて言うなら式神ゴーレムはいるけどそれはノーカンだ。

「あの…葵様…?」
「楽しかった?
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