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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
これからあたしは、動いていく
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あれから、葵紫図書館はというと
「改築しに来たぜ!」
「は?」
翌日宮本が再びやって来て、いきなり無料でこの図書館を改築するとか言い出した。
どんな設備が欲しいか言ってみろというので香子の要望も聞きつつ、あれこれメモに書き出して言ったがまさか全部やってくれるとは思わなかった。
「物足りないと思ったからあれこれ増築もしといた。」
「いや何してくれてんのホント。まぁありがたいけど…。」
冷暖房、中庭、シアタールーム、さらにはプライベートルームと宿泊施設まで…
これはもはや図書館じゃない。娯楽施設だ。
それと次の日には
「こんにちはー。」
「こんちゃん!」
あの町でお世話になったマスターの1人、こんちゃんこと近野のどかだ。
「図書館を建てたって噂を聞いたんで、気になって来ちゃいました。」
「ああ、どうも…って言っても面白いものは何も無いよ?」
かまいませんよと言い、こんちゃんはあるものをあたしに差し出す。
植木鉢2つ。注目すべきはそこに植えられたものだ。
「葵と…紫式部ですね?」
「はい。うちの町で今ガーデニングが流行ってて…そしたらちょうどこの2つがあったので貰って来たんです。」
町の住人が趣味でガーデニングを始めたそうだ。
しかしおかしなことに、この植物は一昨日植えたばかりのものだという。
つまり、僅か3日あまりで種子からここまで育ったことになる。
「アスクレピオス先生いわく、魔力が満ちてるせいで植物にも多少の影響があるらしいです。」
しかし人体にはなんの影響もないとのこと。
そういうことなので、あたしはこんちゃんからその2つの植物をありがたく受け取ることにした。
「折角の葵と紫式部ですから、隣同士で置いてあげてくださいね。」
「うん。そうする。」
窓際にでも置いておこう。
「お客様ですか…?」
と、入口で話し合っていると香子もやってきた。
「まぁ、近野様。」
「久しぶり紫式部さん。相変わらずお盛んみたいですね。」
「…?」
お盛んなのは確かだが、香子はなんの事やらと上品に首を傾げる。
「ほら、ここですよここ。」
「…!」
首筋をトントンと指で叩くと、慌てて首筋を隠す香子。
確かに首に何かある。
あれは…そうだ。
「いえ…これはその…そう!アザです!実はうっかり首を箪笥にぶつけてしまいまして…」
「いやバレてますよ。」
首筋のあざ。
それは紛うことなきキスマークだ。
「ちなみに首筋のキスマークは執着心の現れだそうですね。良かったじゃないですか紫式部さん。けっこう大切にされてる証拠ですよ。」
「わ、わかってますからやめてください!!」
わかっているとはつまりどういうことなんだろう
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