NO.001 転生
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…………あの世という概念があるのなら出久とフォウはそこへと向かっているのだろう。
だが、魂の半分は分割されて残滓として弟子に与えた『ワン・フォー・オール』へと流れていった。
そして、それを見届けて本来の出久とフォウの魂はというと、
『フォウ……魂も半分は弟子に流れていったしこれでもう思い残すことはないかな?』
『そうだね、イズク。でも…………これでイズクのお友達からもらった個性達も無駄ではなかったって感じだね』
そう…………それは遡る事、まだ学生在学中にお茶子が言い放った一言から始まった。
「デクちゃん! もしも……もしもだよ? 最悪デクちゃんが私達よりも先を生きていく事になるんだったら……私の個性をその時にデクちゃんにあげる!」
「麗日さん!? それって!」
「わかってるの……デクちゃんは私達と一緒に同じ時間を生きて一緒に逝きたいっていう望みを持っている事は……でも! もしもそれが果たされなかったら私はきっと後悔する……。死んでも死にきれんよ」
お茶子は目に涙を浮かべながらそう語る。
出久はそれでなにも答えられずにただ嬉しくて、同時に泣きたい気持ちになった。
お茶子が自分のためにここまで想ってくれている事を……。
「でもよー……それじゃどうすんだ? おいら、個性の渡し方なんてできないぞ?」
そこで周りで聞いていた1−A一同も会話に参加してきた。
「確かに……ふがいないがオールフォーワンみたいに自由に個性を与えたり譲ったりはできないからな。そこ等辺はなにか考えがあるのかね? 麗日君」
飯田に聞かれたお茶子は頭を少し捻って「うーん、うーん」と考えてはいるのだが、なかなか発言してこない。
それで業を煮やした爆豪が吼える。
「てめ、麗日! 考えなしにそんな発言したのかオラッ!」
「いや、待って! ちゃんと考えはあるんよ? ただ、それはデクちゃんにも相談しないといけない話で……あと、もし皆もこの話に乗るなら血判状くらいは用意した方がいいくらいだから」
「血判状かよ!? また古い言い回しを知ってんな、麗日」
「血で結ばれた絆……深いな」
切島と常闇がそう発する。
確かに……血判状というのはヤクザとか義理人情系でしかもうお目にかかれないほどに時代的に古いものなのだから。
「お茶子さん、話してください。もし緑谷さんのためになるのでしたらわたくしは協力を惜しみませんわ!」
「やおももほどじゃないけど、ウチもその話は詳しく知りたいね」
「いいねいいね! わったしもー!」
「私も私も!」
「聞かせてちょうだい。お茶子ちゃん」
女子全員ももう乗り気であった。
それで問われたお茶子は一回深
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